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蜘蛛の巣

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蜘蛛の巣

by Tome館長

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    林の中を虫になって飛んでいたら
    蜘蛛の巣に引っかかってしまった。


    「あらあら。虫らしくない虫ね」

    寄ってきた蜘蛛が呟いた。


    「そうなんです。虫ではないのです。
     じつはボク、人間なんです」

    僕は、虫らしく見えぬように笑いかけた。


    「まあそんなの、どちらでも構わない話だけどね」

    尻から白い糸を引き出しながら
    蜘蛛は僕の体を幾重にも巻き始めた。


    「あなたは蜘蛛にしてはとても美しいですね」

    僕は、お世辞を言ってみた。


    「そうでしょう。だって蜘蛛ではないもの。
     じつはアタシ、人間なの」

    ちょっと下品な女の人みたいに
    いやらしく舌なめずりするのだった。
     

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蜘蛛の巣

by Tome館長

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    林の中を虫になって飛んでいたら
    蜘蛛の巣に引っかかってしまった。


    「あらあら。虫らしくない虫ね」

    寄ってきた蜘蛛が呟いた。


    「そうなんです。虫ではないのです。
     じつはボク、人間なんです」

    僕は、虫らしく見えぬように笑いかけた。


    「まあそんなの、どちらでも構わない話だけどね」

    尻から白い糸を引き出しながら
    蜘蛛は僕の体を幾重にも巻き始めた。


    「あなたは蜘蛛にしてはとても美しいですね」

    僕は、お世辞を言ってみた。


    「そうでしょう。だって蜘蛛ではないもの。
     じつはアタシ、人間なの」

    ちょっと下品な女の人みたいに
    いやらしく舌なめずりするのだった。
     

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published : 2010/04/04

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