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ジャレ猫

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ジャレ猫

by Tome館長

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    ジャレ猫がじゃれてるらしい。
    目覚めて胸をボリボリ掻いてて気付いた。

    それはもう痒いことは痒いのだけれど
    むしろ痒いというより痛い。

    針の先で引っ掻いたような細かい傷が
    胸に限らず体のいたるところにある。

    引っ掻かれるはずのない微妙なところまで
    見事なくらい器用に引っ掻かれてる。

    「それはジャレ猫の仕業よ。
     姿は見えないのに引っ掻く猫なの」

    頭のちょっとおかしな老婆が
    僕の胸をさすりながら教えてくれた。

    その老婆は笑うと口が耳まで裂けて
    たちの悪いノラ猫みたいに見えた。
     

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ジャレ猫

by Tome館長

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    ジャレ猫がじゃれてるらしい。
    目覚めて胸をボリボリ掻いてて気付いた。

    それはもう痒いことは痒いのだけれど
    むしろ痒いというより痛い。

    針の先で引っ掻いたような細かい傷が
    胸に限らず体のいたるところにある。

    引っ掻かれるはずのない微妙なところまで
    見事なくらい器用に引っ掻かれてる。

    「それはジャレ猫の仕業よ。
     姿は見えないのに引っ掻く猫なの」

    頭のちょっとおかしな老婆が
    僕の胸をさすりながら教えてくれた。

    その老婆は笑うと口が耳まで裂けて
    たちの悪いノラ猫みたいに見えた。
     

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published : 2010/04/01

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