山の細道

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山の細道

by Tome館長

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  山道の途中、旅姿のふたりの男。
  
  「師よ。引き返しませう。夜になりまする」
  「弟子よ。ならぬ。今日のうちに山を越えねば」
  
  「大きな大蛇が出るという噂もあれば」
  「臆したか。従わぬなら、国へ帰れ」
  
  「さうですか。ではさようなら」
  
  さっさと弟子は山道を下る。
  呆然と見送る師の姿。
  
  
  だが、一刻も早く山を越えねば。
  師は再び山道を上り始める。
  
  あっと言う間に辺りは暗くなる。
  しかも急に狭まる道。
  
  なんとも暗くあまりに細い道。
  師は後悔したがすでに遅し。
  
  
  弟子は振り返り、見上げ驚愕する。
  
  師を丸ごと飲み込んだは恐ろしき大蛇。
  「うわばみ」または「おろち」とも。
  　

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  山道の途中、旅姿のふたりの男。
  
  「師よ。引き返しませう。夜になりまする」
  「弟子よ。ならぬ。今日のうちに山を越えねば」
  
  「大きな大蛇が出るという噂もあれば」
  「臆したか。従わぬなら、国へ帰れ」
  
  「さうですか。ではさようなら」
  
  さっさと弟子は山道を下る。
  呆然と見送る師の姿。
  
  
  だが、一刻も早く山を越えねば。
  師は再び山道を上り始める。
  
  あっと言う間に辺りは暗くなる。
  しかも急に狭まる道。
  
  なんとも暗くあまりに細い道。
  師は後悔したがすでに遅し。
  
  
  弟子は振り返り、見上げ驚愕する。
  
  師を丸ごと飲み込んだは恐ろしき大蛇。
  「うわばみ」または「おろち」とも。
  　

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published : 2010/03/30

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