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想創形造家

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文学・文芸 > 小説

カブトムシ第5章の1

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カブトムシ第5章の1

by CANBEESANTA

  • iコンセプト

    寝ずに頑張った割には進みが悪い草稿なり。
    独りじゃ解決できない時は、、、無理しちゃいけないぞ。  うーん、後でゆっくり寝よう。
    コンセプトになってない?
    良きに計らってください。

  • i製作期間

    現在進行形

  • iコメント

     一見変哲もないエキスを口にした。お袋の教え、その弐の秘薬。 『錐で足を刺す勇気があるなら頭をたれなさい』
     自分の手に負えないなら助けを求める他ない。求める事を止めちゃあいけない。諦めるのは簡単だけど安易な妥協は後悔を生む。忍耐が必要。
     何だか震えが止まらない。良くなっているのか見えない不安が寒気を呼ぶ。弱気になっている。思考を止めちまおう。

     レンドルミン錠剤をかみ砕き、ドクリと飲み干した。
    『パキシルをどーんと50mgはどうだい』  やぶ医者の声がする。
    『それともメタンフェタミンはどうだ?』 銀色の針から小便色の液体が滴る。
     身体全体がアメーバ状態になる。ドロリとした睡魔が俺を包んでゆく。時間が溶けてゆく。
    『ーーーーーー』
     この粟だった感覚に反吐がでそう。

     『オーバードーズになったか』 しわの寄った白衣が俺の複眼を覗き込む。 (おい、ヤブ、ボタンぐらい、はめろ)
     ペンライトが照射された。
     おもむろにポケットから取り出した聴診器がヒヤリとする。 
     ピンクの制服の手が俺の気門にアンビューバックを押し付けた。
     ニコチン臭いヤブの手のひらが胸骨を圧迫して来る。
     電源の落ちたモニターに映る自分を見る。 (絵空事のようだ)
    『ボスミンを5mg!』 唾を飛ばしてヤブが叫ぶ。
     ドロッとした血が状動脈に吹き溜まった感じ。 (酸素をもっと濃くしてくれ)
    『メイロンを50だ!』
    『、、、、、、』
    『ダメだ! あれを持って来てくれ』 (今度はなんだ)

     スタンバイランプのグリーン。
     体毛が剥ぎ取られる。
     除細動パッドが貼り付けられる。
     2000ボルト。200ジュール。
     心拍が細かく波打つ。
     『離れてください』 無機質なガイド音。
     ギュウギュウと腹が縮む。

     ショックボタンに茶色の指先が触れた。
     強烈な吐き気。
    『ーーーーーー』
     俺は赤錆色の叫びを上げた。

  • iライセンス

    表示-非営利-継承

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  • iコンセプト

    寝ずに頑張った割には進みが悪い草稿なり。
    独りじゃ解決できない時は、、、無理しちゃいけないぞ。  うーん、後でゆっくり寝よう。
    コンセプトになってない?
    良きに計らってください。

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     一見変哲もないエキスを口にした。お袋の教え、その弐の秘薬。 『錐で足を刺す勇気があるなら頭をたれなさい』
     自分の手に負えないなら助けを求める他ない。求める事を止めちゃあいけない。諦めるのは簡単だけど安易な妥協は後悔を生む。忍耐が必要。
     何だか震えが止まらない。良くなっているのか見えない不安が寒気を呼ぶ。弱気になっている。思考を止めちまおう。

     レンドルミン錠剤をかみ砕き、ドクリと飲み干した。
    『パキシルをどーんと50mgはどうだい』  やぶ医者の声がする。
    『それともメタンフェタミンはどうだ?』 銀色の針から小便色の液体が滴る。
     身体全体がアメーバ状態になる。ドロリとした睡魔が俺を包んでゆく。時間が溶けてゆく。
    『ーーーーーー』
     この粟だった感覚に反吐がでそう。

     『オーバードーズになったか』 しわの寄った白衣が俺の複眼を覗き込む。 (おい、ヤブ、ボタンぐらい、はめろ)
     ペンライトが照射された。
     おもむろにポケットから取り出した聴診器がヒヤリとする。 
     ピンクの制服の手が俺の気門にアンビューバックを押し付けた。
     ニコチン臭いヤブの手のひらが胸骨を圧迫して来る。
     電源の落ちたモニターに映る自分を見る。 (絵空事のようだ)
    『ボスミンを5mg!』 唾を飛ばしてヤブが叫ぶ。
     ドロッとした血が状動脈に吹き溜まった感じ。 (酸素をもっと濃くしてくれ)
    『メイロンを50だ!』
    『、、、、、、』
    『ダメだ! あれを持って来てくれ』 (今度はなんだ)

     スタンバイランプのグリーン。
     体毛が剥ぎ取られる。
     除細動パッドが貼り付けられる。
     2000ボルト。200ジュール。
     心拍が細かく波打つ。
     『離れてください』 無機質なガイド音。
     ギュウギュウと腹が縮む。

     ショックボタンに茶色の指先が触れた。
     強烈な吐き気。
    『ーーーーーー』
     俺は赤錆色の叫びを上げた。

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published : 2012/10/28

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