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Comment20240422 アクリル F25 完成です。なんでこんな絵を描いたか、その意味をここで少し解説させていただきます。
遠景に見える2つの高層棟は、アメリカ合衆国の世界貿易センタービル(2001.09.11 同時多発テロにて倒壊)をイメージしています。ここでは「未来」の象徴として使いましたが、「未来というものは何が起こるか分からない」という暗示的なニュアンスも持たせたかった。中景に広がる団地は、古いものを大事に手入れして今日も大切に使い続ける人々のつましい暮らしの象徴です。ここまではある意味分かりやすい話ですが、では近景のボロボロの踏切とフェンスは?「なんじゃこりゃ」と感じる人もいるでしょう。
実は私はこの踏切を見たとき「この踏切はこの団地にピッタリじゃないか!」と胸を打たれました。私の趣味的感性を正に代弁してくれるモチーフだった。しばらく眺めた後、気が付いたことが1つあります。それは「古いものは手入れをしてあげなくちゃだめだ」ということです。
長く愛されるものは、愛する人々の手入れによって引き継がれていくものなんですよね。だから誰か「これ補修してペンキ塗りしようぜ」と、そこまで考える人が出れば私は本望です。絵描きの仕事は、人々の心の中からその気持ちを引き出すことが仕事だと思うから。