増駄堂

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  • 『朽ちた時』 When rotting

    最初、右の絵を描いてから、
    「なんか違うな」って思っちゃって、
    その紙の裏に左側のイラストを描き直しました。

    実のところ、
    作家的かつ高尚な意味合いで描き直したのではなく、
    単に紙を買う金が無かったので、
    一度描いたものの裏に同じものを描き直しただけなんですが。。。。。

    増駄堂の使っている紙は、
    おフランス製の高級紙でありまして、
    この紙がやたら高いんですわ。

    だから、金欠の時、
    イラストを描きたくなると、
    以前に描いたイラストの裏に別のものを描いたりします。

    僕の画風は水彩絵の具を極端に薄く塗り、
    何度も何度も色を重ね、
    作品を完成させるんですが、

    この技法は単に経済的な問題から始めたものであり、
    深い意味はありません。

    このくらい薄い色付けをすると、
    絵の具が一本、
    10年以上持つわけでして、
    なにもかも、これ、
    貧乏から始まったタッチなんです。

    しかし皮肉なことに、
    薄塗りに適した紙をいろいろ探しているうちに行き着いたのが、
    アルシュというフランス製の高級紙。

    新聞サイズの紙が一枚900〜1200円もしてしまい、

    そもそも絵の具代をケチって始めた薄塗りが、
    今では高くついてしまっているという、
    とんでもない矛盾をきたしている次第であります。

    子供のころ、
    チラシの裏に鉛筆で悪戯書きをしていたころが懐かしくもありますが、
    今はこの紙でないと描く気がしない。

    ペン先の引っかかり具合、

    筆を置いた時の絵の具の吸収の仕方、

    僕が求めている【にじみ】もこの紙でないと表現できない。


    まったくもって、
    贅沢になっちゃったものです。とほほ。。。

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