大学在学中、生命を支える体内の仕組み、
中でも体を構成する細胞の面白さに気が付きました。
細胞の研究を行う内に最も興味を惹かれる動物に挑んでみようと考え、
人類と同じ哺乳類でありながら巨大な肉体を持ち、
かつ水中生活に完全に適応した鯨類に着目し、その魅力に取りつかれました。

出産を機に、研究に区切りをつけた現在では、創作で鯨類と細胞の追求を続けています。
作品制作と研究は、前者は己の内面の発掘、後者は客観的な科学的事実の追究と、
全く違う分野でありながらも、挑戦と考察をひたむきに続ける姿勢が似ています。
命の不思議さ面白さ、生きるとは何なのか、表現を通して問うていこうと考えています。
また、例えば自分のような主婦の立場においても、子供の成長、親の介護、自分の老後など、
将来の展望には多重な心配や不安がのしかかる世の中です。
生きるという現象にポジティブな作品を提唱して現代の人々にとって、ほんの僅かであっても
希望の道標となれることを願っています。

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制作環境

アクリル画