本山慈英

立体造形主担当員

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  • 醜くとも現実 美はみつかる (続編)

    先の15日付の日記に掲載しました日本画家、松井冬子さんのお言葉の続きです。

    ************ 本文 ************

    作品を構築していくにはデッサン力などの技術が必要です。
    ただ、技術だけに偏すると、上手に描けたね、で終わってしまい、
    芸術ではなくなる。
    自分のパッションと技術がうまくかみ合わねばなりません。
    でも、私はイメージ通りの作品ができたと満足したことはありません。
    デッサンなどの技術の修練は一生続くでしょう。

    美は簡単に見いだせたり創造できたりするものではありません。
    日常生活に美はない、と言っていいかもしれない。
    きれいな花や美しい夕日はあるでしょうが、それはそのままでは
    芸術的な美ではない。
    自分の想像力を駆使しない限り、芸術的な美は見いだせない、
    と私は思います。
    その想像力は自ら磨かなければならない。

    たとえば、一つのボルトがすごく美しいという人だっている。
    その人はそのボルトが美しいと思えるほどの想像力に達しているんです。
    美はモノそのものにあるのではなく、自らの想像力で発見するものです。

    想像力の磨き方ですか? まずは自分が何が好きなのかをどんどん
    突き詰めていくこと。 どんな色が好きか。白なら、硬い質感か、
    軟らかい質感か。青っぽい白が好きなのか。
    追求していけば、何が本当に好きなのかがわかってくる。
    美への想像力があれば、一人になっても楽しいですよ。

      *****************************

    以上、二回にわたり2011年7月5日付朝日新聞より原文まま転記しました。

    ところで、松井冬子さんはどんな絵を描かれている方なのでしょうか?
    これから検索してみることとします・・・・・・

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  • 醜くとも現実 美はみつかる

    この日記をどのように活用するかを考えてきましたが、備忘録として
    お気に入りの記事などを書き留めて置く事を思い付きました。

    いつの日か、また読み直して見れば新しい何かが見えてくるかも知れません。

    では、初回として2011年7月5日付朝日新聞に掲載されていました
    ”女神からの自由研究”より日本画家、松井冬子さんのお言葉を書き留めて
    おきます。


    **************  本文  ***************

    幽霊や内蔵があらわになった女性の死体、動物の亡きがらなど人々が
    目をそむけたり、社会的に排除されてきたりしたもの主題に、日本画を
    描いています。

    グロテスクと評されることもありますが、内蔵は見えていないだけで、
    実際に人体の内にある。死体もこの世に確かに存在する。
    それなのに現代社会は快適さや便利さのみを追求し、おぞましいもの、
    醜いものを排除してきた。

    見た目はきれいになったが、リアルさが失われ、本質が押し隠されてしまった。
    しかし、一般的に美しいとされているもの、醜いとされているもの、それらを
    ひっくるめたすべてが現実の世界です。
    その中から美を見いだし、美を創造するのが芸術です。

    痛みや狂気を感じさせるような私の作品に共鳴してくださる方もいます。
    えっ、あがめるほど熱狂的なファンもいるですって? もしそうなら、
    世界に一人だけでも共感していただけたら、という気持ちで描きたいものを
    描いているので、とてもうれしいです。

    バラや富士山を見て美しいと感じ、そのまま絵に描く人がいます。
    それはそれでいいのですが、ただバラがきれい、では芸術ではない。
    普遍性も持ち得ない。そんなのはつまんない。

    美術家として作品を創造するのに大切なのは、構築していくこと。
    考えに考えてコンセプトを練り上げ、想像力を最大限駆使して、
    作品を構築していくんです。
    パッションの赴くまま衝動に任せて描くような無責任なことは、
    私はしません。


     *突然ですが、タイプを打つのがしんどくなりましたので、
    本日はここまで、以下は次回に続く・・・(たぶん近日中?)

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