1万8000人の登録クリエイターからお気に入りの作家を検索することができます。
2020/03/24
こんにちは、七星ほくです。「今日も生きている。」という漫画を制作しました。あそこまで反響を頂けるとは夢にも思っていなくって、驚いています。
ここでは、私がこの漫画を作るにあたってのお話とか付け足しとか解説等を書かせていただきます。まぁ、あの自分が今思ってること日記に書くくらいの気持ちで書いてるので、さらっとみてくれたらうれしいです。
[漫画の解説と付け足し]
ネタバレ含むので読んでから見てください!
この漫画は、
<推しの子が死んだとして自分は推しを好きでい続けられるのか?>
<そして他の人が彼女になったら?>
<何故彼女たちのこと、vtuberが好きなのか?>
を考える機会になればと思ってこんなシナリオになりました。
最初の方、コンビニの店長が「別にキャラは消えない」「イラストがすきなのか?中の人が好きなのか?」聞くシーンがあります。本当にvtuberを知らない友人にネームを見せた時、こんなこと言われたもので。
普通、アイドルを好きになるとき、その子の顔が好きもそうなんですが、性格とか仕草とか、歌い方とか色んなものを含めて好きになることが多いのかなと思います。
でもvtuberさんは2Dの場合、極端な話、一枚絵が表情を変えるというだけなのです。
ほとんど顔を出さない配信者(ニコニコとかに昔よくいたアイコンのキャラがその人を表している)と一緒の状況なのです。
何がじゃあ違うのか?
それは、彼ら、彼女たちが、生身のままじゃないこと…
そのキャラが先にあって(設定が元々あった上で)、中の人が全部浮き彫りにならないことかなと思っています。
漫画の途中、ファミレスで意気投合した女の子(雨寺夢の妹、作中に名前は出てきませんが雨寺くるみと言います。)が、
「台本とか役とか元々あるものに演技を入れるとか無いじゃん?」
って言ってて、
また、アミの中の人と勘違いした主人公が
「演者は元から役があるから唯一無二にはなれないという話をした」
と言ってます。
役者、まぁ俳優とか声優は、役やキャラを演じます。
だからキャラ、世界観が元からあって、それに俳優さんたちがそのキャラの性格通り、そのセリフを喋ったりしていきます。
でもそういうわけではない。
vtuberは設定が元からあっても、だんだんそこに中の人が混ざり合っていって…
彼らは配信や動画投稿を経て、<本当のその子>を作ってるのかもしれません。
多分、喩えると色んな種類のケーキ、ショートケーキ、チョコレートケーキ、モンブラン、チーズケーキ…トッピングはのってません。
その中からショートケーキを任されて…、みんなに見せるから自由にトッピングして持ってきてって言われて、好きなようにトッピングをのせていく…そしてそれはショートケーキだけどその子のオリジナルショートケーキ……
わかる?ダメだこりゃ
言葉であらわせねぇ、だからお話にしたんだった…ごめんね
それで
このお話ではハッピーな終わり方を迎えています。
雨寺夢が望んだのは、アミの終わりではなく、生き続けさせること。
今日も、明日もできればずっと。
それで、夢野アミが突然消えて存在しなかったことにするんじゃなくて、雨寺夢の思い、またスタッフの思いも全部含めて、続けることで、彼女は永遠になる。
こういう思いが伝わったら、みんなハッピーなんですが…。なかなかまだまだ不安定なこのジャンル、業界…。
本当にこんなことが起こったら、こんなハッピーな感じになるか?という意見もあると思います。そう思います。
私の推しの中の人が突然変わったら泣きます。死んでも泣く。そりゃそうだ。
この結末は私の願いの一つなのかもしれません。
雨寺夢は夢野アミみたいなもん。
だけど、夢野アミの中に雨寺夢が欠けたら、アミは永遠に消える??
そんなわけじゃない。
雨寺夢を、夢野アミの一部をなくしても、夢野アミはずっと存在できる。
彼女がいなくなっても、忘れないでいて欲しい。
(死んでから忘れたら二度目の死って言うよね。)
そんな思いを、もしこんなことが起こったら、作る側みんなで持っててくれたら…
そしたらハッピーになるかなって…
大人の事情は難しくてわからないことも多いです。
でも、この業界をただの流行りのお金目当てだけじゃなくって、
その不可解な不安定な存在を、大切に…して欲しいなと思います。
[その他]
1、漫画について
この漫画を描こうと思ったのは、去年の夏頃??全然覚えてない…とにかく大学四年で卒業間近、卒論も抱え、家族が病気、漫画家になりたいから就活を辞め、新しいバイトを始め、そして何回も作ったネームに編集さんからボツを食いまくり、とにかく不安定な時でした。
ネームがうまくいかないと、原稿も描けない。
このままだと完成作品を全く生み出せないかもしれないと心配になり、じゃあ今自分が好きなこと、そして思っていることを漫画にしようと考えて、vtuberの創作漫画になりました。このネームは編集さんにも一応見せたけど、もうほぼ描き始めてたので、何を言われても描こうとしてました。
なので実質アドバイスをくれた大学の友人と私で描き出しました。(友人はvtuber全くわからないんだけど、そういう人でも分かるようにしよう、って。ありがとう)
完成したのは去年12/31。卒論に追われてたのもあったのですが、とにかく今年中に描こう、描こうと粘りました。
その時、12/31は出そうと思っていたマガジンの賞に間に合わないことに気がつき、間に合いそうだったヤンジャンに何故か出すことに決めその日中に送りました。
まぁ色々年末年始忙しくてゴタゴタしてて二月期の審査になっちゃったんですが、賞を頂けて大きめに雑誌に載ってて本当に嬉しかったです。
2、vtuberについて
さて、私がvtuberの創作漫画を描こうと思ったのは、まぁvtuberが好きだからです。
ちょうど2年前くらい、vtuberの流行り始めに彼らが現れて、どんどん増えてって、面白いなぁと見始めていました。古参だからな?(突然マウント)
そこで出会った東雲めぐちゃんは、とにかくすごい!という第一印象でした。
降ってくるギフトを手に持って、表情豊かで、「生きてる!画面の向こうでめぐちゃんが生きてる!」と衝撃を受けました。
そこから今でもずっとずっとめぐちゃんが大好きです。
彼女は今年で高校三年生になります、中学生だった頃から応援している身としてはうれし過ぎて泣きます。
東雲めぐちゃんを語り出すと止まらないので本題へ…
東雲めぐちゃん以外も本当に色んなvtuberを初期の頃から見ていました。でも時が経つに連れ…不思議な現象が起き始めました。
引退、魂が変わる、身バレ、事務所とのなんやかんや…もうそれが一気に色んなところで起こり出し、問題となり炎上し、自分の中で頭が混乱してしまってよくわからなくなって、
「推しを推していても、いつかは引退するし?魂が変わったらどうする?なんで推してるの?」
と疑問が何度も何度も浮かんできました。
それで一時期、その自分の価値観と他のファンの方の価値観(すごい推しまくってる)が合わなくて、vtuberの動画を見なくなったこともありました。
でも少し経って、また動画を見たときに、彼ら、彼女たちが元気に楽しく歌を歌ったり、ゲームをしたりしているのを見て…やっぱり…好きなものは好きだ…と…今はとにかく好きなら好きなまま推そう…とそう感じました。語彙力がなくてすまないです。
彼らの存在を証明できるのはきっと私たちなのかなと思います。
だから彼ら、彼女たちがずっと笑顔になれるように、推していきたい…ですね…
3、夢野アミ
この漫画の完成あと、賞を取ったのですが、まぁそれは期待賞で、佳作以上ではないのも出来ず、掲載もなく…。なのでせめて誰かに見て欲しい!と思って公開してもいいですか?と頼んだのですが、実はずっと公開はダメだと言われていました。まぁ奇属するから?あの権利?(いや知らんし…)
でも佳作とってないのに公開しなかったらずっと誰の目にも触れないじゃん!って思って、一週間くらい粘って公開させて欲しいと企画書も作ったり電話したりしました。
あの時が一番ドキドキしていました。
なので3月中は曲作りに動画の編集の仕方を勉強したり、Live 2dにフェイスリグに…とにかくやりたいこのことを、実現させなければ!と、馬鹿になりながら作っていました(コミケの原稿も次回作の創作漫画も展示会作品も同時進行しつつ…馬鹿…)
そして漫画を読みやすいようにちょっとコマ割り変えたりっていう作業もしてました。
とにかく、これは絶対みんなに見せたいんだ!という信念が強くって。別にあんまり理由はないけど…vのジャンルが盛り上がって2年くらい経って、オワコンだとか言われてて、でも私にとっては今だからこそこれからも続いていくジャンルなんじゃないかなと思っているので…
それは…なんていうか…………YouTuberや動画配信者の持つものとは違う…エモさ…?不安定な存在だからこそ、今現代にぴったりで、
そして、今この自粛ムードみたいな時期に、一番有利なのは彼らなのかもしれないと思います。
4、最後に
最後までありがとうございました。これは日記です。笑
まだまだ夢野アミちゃんなんかするらしいんで、もしよかったら見てあげてくださいな。
そしてvtuberのみんながこれからも元気でありますように。