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四コマ映画『ふたつの部屋、ふたりの暮らし』

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四コマ映画『ふたつの部屋、ふたりの暮らし』

by フクイヒロシ

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    4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_...

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    アカデミー賞国際長編映画賞フランス代表作なんですね。
    フランス映画界が「今年のフランス映画の中だったらこれがアカデミー賞国際長編映画賞獲れるんじゃね?」って判断して、推してきたのが『ふたつの部屋、ふたりの暮らし』。
    それがわかるくらいに
    テーマがタイムリーだし、スリリングで攻めてるし、面白いし怖いし、話はめちゃくちゃわかりやすくもとても社会派な内容。

    四コマ映画「ふたつの部屋、ふたりの暮らし」→ 4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_...
    4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_...
    タイトルから既にミステリー
    原題『Deux』、英語タイトルは『Two of Us』。
    Deuxは「2」。
    Two of Usは「私たち二人」とか「私たち夫婦」などの意味。抽象的な「二人」ではなく「あなたと私」という限定した意味の二人という意味っぽいですね。
    日本語タイトルは『ふたつの部屋、ふたりの暮らし』。一瞬ほのぼの系映画タイトルっぽいけど、タイトルから既にミステリー。
    なぜ二人の暮らしは一つの部屋ではなく「ふたつの部屋」で行われるのか。
    ふたり一緒に住んだらいいのに別々の部屋で住む、理由があるし、それで平穏を得られたけど、その平穏と引き換えにとんでもない事態が起こってしまった…というミステリー。
    このラブストーリーをまるでスリラーであるかのように撮りたかった
    監督のフィリッポ・メネゲッティは「このラブストーリーをまるでスリラーであるかのように撮りたかった」と言っている通り、この映画はとてもスリリング!
    アンソニー・ホプキンスの『ファーザー』やコリン・ファースの『スーパーノヴァ』に似ていると思いました。
    『ファーザー』並みにスリリングだし、『スーパーノヴァ』並みに愛が溢れているからこその恐怖!辛さ!
    ****
    あらすじ(ネタバレなし)
    結婚経験のあるマドレーヌは、死別した夫と娘と息子(と孫)がいる。
    20年くらい前からニナという女性と付き合っており、二人はアパートの最上階の二つの向かい合った部屋を借りて二つの部屋を大きな一つの部屋かのように暮らしていました。
    フランスですし同性カップルは見慣れたものなはずですが、個人差あるんですねまだ。
    マドレーヌには娘と息子がいるしなかなか言いづらい。堂々と女性パートナーと一緒に暮らすことができない。
    隠れながらだけど平穏に暮らせてはいた。しかしある日。
    マドレーヌが脳卒中で倒れてしまう。救急搬送され入院。その後は自宅で24時間介護士がつきっきりで介護。
    マドレーヌは体を動かすのも困難になり口もきけなくなる。
    そうなるといきなりニナはマドレーヌと引き離されてしまう。
    ニナはマドレーヌに会いたくて(そりゃ会いたいよね)病院に駆けつけたけど、
    娘に「母のお知り合いですか?」と聞かれ「向かいに住んでる者です。仲良くしてまして…」としか言えない。。
    娘からしても、所詮ご近所さんにしかすぎない老女(しかもすごく圧の強い)は母が倒れたことだけでも大変なのにとても面倒くさい人物。
    介護士は介護士で自分の仕事を全うしなきゃいけないし、いちいち口挟んでくる(明らかに邪魔してくる)ご近所老女が鬱陶しくて仕方ない。
    とはいえニナだって、20年来のパートナーである自分が声かけしたり触れたり近くにいることでマドレーヌの容態が改善するのではないか、と思うし、それをなんとしてでも実行したい。そりゃそうさ。
    そして両者の溝が全然埋まらないうちに、ニナが暴走するようになるというめちゃくちゃ面白い展開。
    ****
    この映画、明らかに悪人もいない代わりに完全に正しい人もいない。
    マドレーヌも夫がいる時点でニナと浮気したっぽいし、
    ニナの暴走っぷり(ほとんどホラーアイコン並み)は全然正しい人だという評価を得ようという気はない。
    ニナを拒絶する娘や介護士も悪い人ではない。
    困惑して当然の事態だし、ニナの特異な行動からすると介護士はかなりの被害者ですよ。かわいそうに。
    ニナの暴走はマドレーヌに対する強い愛があってこそだと思いますが、同時に社会に対する怒りもあったと思います。
    「いい加減にしろよ!マ・ジ・で!」という怒りのニナ。
    僕だって石投げつけて窓割りたいもん。
    ****
    ニナの奇行はやはり痛快
    「もっとスマートな解決方法があったと思います」とか
    「もっと効率的なやり方があったと思います」というご意見あるでしょう。
    流石に僕も思いましたよ。
    勘弁してくれよ、車破壊してどうすんのさ、、と。
    (でも面白い。。。)
    でも「もっとスマートな解決方法があったと思います」勢を「ウルセーッ!!!!!!!」っつって吹っ飛ばすようなニナの奇行はやはり痛快。
    ストッパーがどんどん外れていくニナが面白いし、
    あの行動は愛し合う二人が引き裂かれたのならあれ食らうの感情の爆発があって普通だろうし、今まで散々踏みつけられてきた社会への怒りでもあるので、ちゃんと映画として意味がある描写。
    ***
    どうか回復して欲しいと心から祈っております
    割と身近で、似たような(当然詳細は違う点も多いですが)事象が起こっておりまして、お二人と知り合いではない僕でもSNSなどで日々の進捗状況を知って、ギュッと胸が苦しくなる毎日であります。
    どうか回復して欲しいと心から祈っておりますし
    やはり同性であってもパートナーであればすんなりと病室に入ることができるような制度をビシッと施行していただきたいと心から願っています。

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    アカデミー賞国際長編映画賞フランス代表作なんですね。
    フランス映画界が「今年のフランス映画の中だったらこれがアカデミー賞国際長編映画賞獲れるんじゃね?」って判断して、推してきたのが『ふたつの部屋、ふたりの暮らし』。
    それがわかるくらいに
    テーマがタイムリーだし、スリリングで攻めてるし、面白いし怖いし、話はめちゃくちゃわかりやすくもとても社会派な内容。

    四コマ映画「ふたつの部屋、ふたりの暮らし」→ 4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_...
    4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_...
    タイトルから既にミステリー
    原題『Deux』、英語タイトルは『Two of Us』。
    Deuxは「2」。
    Two of Usは「私たち二人」とか「私たち夫婦」などの意味。抽象的な「二人」ではなく「あなたと私」という限定した意味の二人という意味っぽいですね。
    日本語タイトルは『ふたつの部屋、ふたりの暮らし』。一瞬ほのぼの系映画タイトルっぽいけど、タイトルから既にミステリー。
    なぜ二人の暮らしは一つの部屋ではなく「ふたつの部屋」で行われるのか。
    ふたり一緒に住んだらいいのに別々の部屋で住む、理由があるし、それで平穏を得られたけど、その平穏と引き換えにとんでもない事態が起こってしまった…というミステリー。
    このラブストーリーをまるでスリラーであるかのように撮りたかった
    監督のフィリッポ・メネゲッティは「このラブストーリーをまるでスリラーであるかのように撮りたかった」と言っている通り、この映画はとてもスリリング!
    アンソニー・ホプキンスの『ファーザー』やコリン・ファースの『スーパーノヴァ』に似ていると思いました。
    『ファーザー』並みにスリリングだし、『スーパーノヴァ』並みに愛が溢れているからこその恐怖!辛さ!
    ****
    あらすじ(ネタバレなし)
    結婚経験のあるマドレーヌは、死別した夫と娘と息子(と孫)がいる。
    20年くらい前からニナという女性と付き合っており、二人はアパートの最上階の二つの向かい合った部屋を借りて二つの部屋を大きな一つの部屋かのように暮らしていました。
    フランスですし同性カップルは見慣れたものなはずですが、個人差あるんですねまだ。
    マドレーヌには娘と息子がいるしなかなか言いづらい。堂々と女性パートナーと一緒に暮らすことができない。
    隠れながらだけど平穏に暮らせてはいた。しかしある日。
    マドレーヌが脳卒中で倒れてしまう。救急搬送され入院。その後は自宅で24時間介護士がつきっきりで介護。
    マドレーヌは体を動かすのも困難になり口もきけなくなる。
    そうなるといきなりニナはマドレーヌと引き離されてしまう。
    ニナはマドレーヌに会いたくて(そりゃ会いたいよね)病院に駆けつけたけど、
    娘に「母のお知り合いですか?」と聞かれ「向かいに住んでる者です。仲良くしてまして…」としか言えない。。
    娘からしても、所詮ご近所さんにしかすぎない老女(しかもすごく圧の強い)は母が倒れたことだけでも大変なのにとても面倒くさい人物。
    介護士は介護士で自分の仕事を全うしなきゃいけないし、いちいち口挟んでくる(明らかに邪魔してくる)ご近所老女が鬱陶しくて仕方ない。
    とはいえニナだって、20年来のパートナーである自分が声かけしたり触れたり近くにいることでマドレーヌの容態が改善するのではないか、と思うし、それをなんとしてでも実行したい。そりゃそうさ。
    そして両者の溝が全然埋まらないうちに、ニナが暴走するようになるというめちゃくちゃ面白い展開。
    ****
    この映画、明らかに悪人もいない代わりに完全に正しい人もいない。
    マドレーヌも夫がいる時点でニナと浮気したっぽいし、
    ニナの暴走っぷり(ほとんどホラーアイコン並み)は全然正しい人だという評価を得ようという気はない。
    ニナを拒絶する娘や介護士も悪い人ではない。
    困惑して当然の事態だし、ニナの特異な行動からすると介護士はかなりの被害者ですよ。かわいそうに。
    ニナの暴走はマドレーヌに対する強い愛があってこそだと思いますが、同時に社会に対する怒りもあったと思います。
    「いい加減にしろよ!マ・ジ・で!」という怒りのニナ。
    僕だって石投げつけて窓割りたいもん。
    ****
    ニナの奇行はやはり痛快
    「もっとスマートな解決方法があったと思います」とか
    「もっと効率的なやり方があったと思います」というご意見あるでしょう。
    流石に僕も思いましたよ。
    勘弁してくれよ、車破壊してどうすんのさ、、と。
    (でも面白い。。。)
    でも「もっとスマートな解決方法があったと思います」勢を「ウルセーッ!!!!!!!」っつって吹っ飛ばすようなニナの奇行はやはり痛快。
    ストッパーがどんどん外れていくニナが面白いし、
    あの行動は愛し合う二人が引き裂かれたのならあれ食らうの感情の爆発があって普通だろうし、今まで散々踏みつけられてきた社会への怒りでもあるので、ちゃんと映画として意味がある描写。
    ***
    どうか回復して欲しいと心から祈っております
    割と身近で、似たような(当然詳細は違う点も多いですが)事象が起こっておりまして、お二人と知り合いではない僕でもSNSなどで日々の進捗状況を知って、ギュッと胸が苦しくなる毎日であります。
    どうか回復して欲しいと心から祈っておりますし
    やはり同性であってもパートナーであればすんなりと病室に入ることができるような制度をビシッと施行していただきたいと心から願っています。

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published : 2022/03/22

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