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イラストレーション > アニメ・漫画

四コマ映画『ロスト・ドーター 』

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四コマ映画『ロスト・ドーター 』

by フクイヒロシ

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    4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_...

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    面白い!素晴らしいじゃないですか!
    5にしたいくらい(しろよ)。


    ****


    四コマ映画『ロスト・ドーター』
    4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_...


    やっとレダは「私は…」と言えたんですね。



    ****


    『クレイジー・ハート』(2009)でアカデミー助演女優賞候補になっている女優のマギー・ギレンホール。
    『ダークナイト』(2008)でのレイチェル役が一番有名でしょうか。


    弟がジェイク・ギレンホールで、夫はピーター・サースガード。

    女優としてもオピニオンリーダーとしても素敵な存在感を放つ彼女の初監督・初脚本作品がこの『ロスト・ドーター』!

    素晴らしい女性監督がまた映画界に降臨してきましたよ。ありがとう!



    **


    映画やドラマに出てくる子供たちって
    基本的には聞き分けがいいし
    大人たちの邪魔になる時は「部屋で遊んできなさい」と言われたら
    スッと部屋に消えていく。

    作劇的に「子育てって大変」ってのを表したいときだけ泣き喚いたりワガママ言ったりするけど
    そのパートが終わると、素晴らしく聞き分けの良い子供に戻る。

    僕は子育てしたこともこの先の予定もないので予想でしかないですが、
    子供ってこんなんじゃないだろうなと思いながら上記のようなものを見ていました。


    **


    今作の子供たちは大変。。。。エンドレスに水かけてきたりする。。。

    どうやって撮影したんだろ。。
    母親役の女優さんたちはめっちゃくちゃ嫌がってるのに、あの子たちは絶対やめないしどんどん悲しくなっていく。

    女優さんたちと良い関係が築けているからこそだろうし
    撮影前後にメンタルケアが行われてるんだと思いますけど。

    なかなかスリリングなシーンの連続でした。。
    でもあれがきっと日常なんですよね。。

    **



    主人公レダがどういう過去を持った人物なのかが執拗に〝語られない〟。

    彼女の回想シーンでじわじわと語られるんだけど、なかなか核心に近づかない。

    彼女のラストのセリフでやっっっと彼女の姿が見える。
    それが言えた彼女自身も傷を負いつつも(ホントの傷も…)ちょっとスッキリしたような空気。

    もっと早く誰かに言えて、
    分担できるような仕組みや雰囲気があったならば。


    **


    〝なかなか語られない〟ってのがサスペンス性に繋がっているんだけど
    それは映画としての楽しみだけのためではない。

    言えないんですよね。
    女性は。
    彼女のラストのセリフを。

    女性ならば母親ならばそもそも備わっているとされている圧力が凄すぎて、表に出せない。
    めちゃくちゃ非難されたり冷たい目で見られるから。

    レダが自分についてさくっと語れたのならこの映画は15分で終わってる。
    でも言えないから。言わせてもらえないから。2時間たっぷりやる。

    映画のテーマと映画の語り方が合致している上に、サスペンス映画としても上級。
    最高。


    **


    「正座して観るべき?」って思うくらいの
    オリビア・コールマン、ジェシー・バックリー、ダコタ・ジョンソンら演技激ウマ人間たちの素晴らしいアクト。

    オリビア・コールマンとジェシー・バックリーが激素晴らしいのは知っていたけど
    ダコタ・ジョンソンがここまで地獄のように素晴らしい演技をする人だとは思ってませんでした。


    **



    「女性脚本、女性監督ならでは」という言葉もなかなか使うのに覚悟が必要ですが、
    女性脚本、女性監督作に多く見られる良い特徴は、多様な女性キャラが出てくること。


    女性キャラが母か娼婦の2パターンしかない映画も多くある中、さまざまな女性キャラクターが活躍するのが女性が作った映画に期待できる点だし、実際それが結実している映画は多い。

    ただ今回は出てくる人物が少ないし、
    オリヴィア・コールマンとジェシー・バックリーはレダという一人の人物だし、
    ダコタ・ジョンソンもレダが過去の自分を投影して半分くらいは自分として見ている人物。(つまり女優は3人いるけど、実際は1.5人くらい)




    で、
    今作では男性キャラの方が人数多いし、キャラクターが豊かでしたね。
    ここがほんとさすが。マギー・ギレンホール監督!

    女性たちが主役の映画の場合、逆に男たちの存在感が異様になかったり男たちを薄く描くことで、
    「男からの抑圧や解放」を表したりするんですが、
    この映画の場合は男の方が人数が多いしキャラの描き込みが多い。

    つまり男そのものが薄っぺらかったりいなくていいものなわけではない。
    男は存在している。ちゃんと一人一人キャラクターがある。
    なのに、それなのに、子育ての現場にはことごとく男はいない!

    男は画面に何回も映ってくるのに、子育てで死ぬ思いをしているのは女性ばかり。




    っていうことの表現なのでしょうね。

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    面白い!素晴らしいじゃないですか!
    5にしたいくらい(しろよ)。


    ****


    四コマ映画『ロスト・ドーター』
    4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_...


    やっとレダは「私は…」と言えたんですね。



    ****


    『クレイジー・ハート』(2009)でアカデミー助演女優賞候補になっている女優のマギー・ギレンホール。
    『ダークナイト』(2008)でのレイチェル役が一番有名でしょうか。


    弟がジェイク・ギレンホールで、夫はピーター・サースガード。

    女優としてもオピニオンリーダーとしても素敵な存在感を放つ彼女の初監督・初脚本作品がこの『ロスト・ドーター』!

    素晴らしい女性監督がまた映画界に降臨してきましたよ。ありがとう!



    **


    映画やドラマに出てくる子供たちって
    基本的には聞き分けがいいし
    大人たちの邪魔になる時は「部屋で遊んできなさい」と言われたら
    スッと部屋に消えていく。

    作劇的に「子育てって大変」ってのを表したいときだけ泣き喚いたりワガママ言ったりするけど
    そのパートが終わると、素晴らしく聞き分けの良い子供に戻る。

    僕は子育てしたこともこの先の予定もないので予想でしかないですが、
    子供ってこんなんじゃないだろうなと思いながら上記のようなものを見ていました。


    **


    今作の子供たちは大変。。。。エンドレスに水かけてきたりする。。。

    どうやって撮影したんだろ。。
    母親役の女優さんたちはめっちゃくちゃ嫌がってるのに、あの子たちは絶対やめないしどんどん悲しくなっていく。

    女優さんたちと良い関係が築けているからこそだろうし
    撮影前後にメンタルケアが行われてるんだと思いますけど。

    なかなかスリリングなシーンの連続でした。。
    でもあれがきっと日常なんですよね。。

    **



    主人公レダがどういう過去を持った人物なのかが執拗に〝語られない〟。

    彼女の回想シーンでじわじわと語られるんだけど、なかなか核心に近づかない。

    彼女のラストのセリフでやっっっと彼女の姿が見える。
    それが言えた彼女自身も傷を負いつつも(ホントの傷も…)ちょっとスッキリしたような空気。

    もっと早く誰かに言えて、
    分担できるような仕組みや雰囲気があったならば。


    **


    〝なかなか語られない〟ってのがサスペンス性に繋がっているんだけど
    それは映画としての楽しみだけのためではない。

    言えないんですよね。
    女性は。
    彼女のラストのセリフを。

    女性ならば母親ならばそもそも備わっているとされている圧力が凄すぎて、表に出せない。
    めちゃくちゃ非難されたり冷たい目で見られるから。

    レダが自分についてさくっと語れたのならこの映画は15分で終わってる。
    でも言えないから。言わせてもらえないから。2時間たっぷりやる。

    映画のテーマと映画の語り方が合致している上に、サスペンス映画としても上級。
    最高。


    **


    「正座して観るべき?」って思うくらいの
    オリビア・コールマン、ジェシー・バックリー、ダコタ・ジョンソンら演技激ウマ人間たちの素晴らしいアクト。

    オリビア・コールマンとジェシー・バックリーが激素晴らしいのは知っていたけど
    ダコタ・ジョンソンがここまで地獄のように素晴らしい演技をする人だとは思ってませんでした。


    **



    「女性脚本、女性監督ならでは」という言葉もなかなか使うのに覚悟が必要ですが、
    女性脚本、女性監督作に多く見られる良い特徴は、多様な女性キャラが出てくること。


    女性キャラが母か娼婦の2パターンしかない映画も多くある中、さまざまな女性キャラクターが活躍するのが女性が作った映画に期待できる点だし、実際それが結実している映画は多い。

    ただ今回は出てくる人物が少ないし、
    オリヴィア・コールマンとジェシー・バックリーはレダという一人の人物だし、
    ダコタ・ジョンソンもレダが過去の自分を投影して半分くらいは自分として見ている人物。(つまり女優は3人いるけど、実際は1.5人くらい)




    で、
    今作では男性キャラの方が人数多いし、キャラクターが豊かでしたね。
    ここがほんとさすが。マギー・ギレンホール監督!

    女性たちが主役の映画の場合、逆に男たちの存在感が異様になかったり男たちを薄く描くことで、
    「男からの抑圧や解放」を表したりするんですが、
    この映画の場合は男の方が人数が多いしキャラの描き込みが多い。

    つまり男そのものが薄っぺらかったりいなくていいものなわけではない。
    男は存在している。ちゃんと一人一人キャラクターがある。
    なのに、それなのに、子育ての現場にはことごとく男はいない!

    男は画面に何回も映ってくるのに、子育てで死ぬ思いをしているのは女性ばかり。




    っていうことの表現なのでしょうね。

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published : 2022/03/20

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