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イラストレーション > アニメ・漫画

四コマ映画『牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件』

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四コマ映画『牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件』

by フクイヒロシ

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    4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_...

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    ■花恋とクーリンチェ


    何年も前に一回挑戦したんですけど、その時はリマスター版じゃなくて、登場人物の顔もよく見えないし、そもそも顔もよく見えないし、名前も本名とあだ名(小四/張震)が普通に出てくるし、個人名なのか地名なのかグループ名なのかもわかんないし、そうでなくても前半は淡々としてどこに話が向かってるのかもわかんないし。

    ってことで挫折しました。
    いつかはちゃんと観なきゃと思っていたところに『花束みたいな恋をした』で有村架純による
    「クーリンチェそろそろ終わっちゃうよ」的なセリフが。

    2016年に2人は新居に引っ越し、2017年1月に麦が就職。
    で、2人は東京に住んでるし、たぶん2017年8月の下高井戸シネマでの上映のことかと。


    ***


    『牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件』四コマ映画→ 4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_...


    ***


    下高井戸シネマは僕は当時自転車で行けるくらいの距離で確かに「クーリンチェやるんだぁ」と意識していた記憶が。

    ただ4時間弱と言う上映時間と一回の挫折もあり、結局行かなかった。。

    で、あまりにも『花束みたいな恋をした』が心に刺さり過ぎて何か行動を起こして消化して疲労していかないとずっと『花恋』を引きずる2021年になってしまう!と思い、『牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 <デジタルリマスター版>』観たよ!



    ■デジタルリマスター版、最高!スコセッシグッジョブ!


    マーティン・スコセッシが設立した映画保存団体「フィルム・ファンデーション」によってリマスターされたから今作、最高!

    映像がくっきり!
    こんなに顔見やすかったっけ!
    そして小明ってこんなに可愛かったっけ!
    前より可愛くなってない!?

    映像がハッキリすると色彩や構図の美しさが伝わってくるし、人物の表情も見えてくるから、物語がわかりやすい(前よりね。基本難しいんですけど…)。

    てことでスコセッシグッジョブ!『羅生門』のデジタルリマスター版も良かった!



    ■時代背景

    「1949年頃、中国から数百万人が国民党政府とともに台湾へと渡り、誰もが安定を願った。しかし子供たちはその成長過程で大人の不安を感じ取り少年らは徒党を組んだ。
    脆さを隠し、自分を誇示するかのように。」

    上記の文字が映画冒頭で表示されます。不安定な社会情勢と腐敗した大人たちの影響を受けて、不安定な青春を余儀なくされた子供たちの話、なわけですね。
    社会の影響を末端で受けるのは子供だと。

    Wikipediaによると

    「1945年の日本敗戦後も台湾独立運動は起こらず、中華民国への「祖国復帰」を多くの台湾人が大きな抵抗もなく受け入れたが、実際に中華民国による統治が始まると、台湾人の多くは腐敗した国民政府に失望し、台湾人と「中国人」の違いを次第に自覚するようになった。戦後の台湾独立運動は、このような出発点に立ち、中華民国体制を克服し、大陸の中華人民共和国による支配をも拒絶する運動、即ち「中国人」ではなく「台湾人」として生きるための運動として展開されている。」

    とのこと。
    今作でも、外省人(中国から渡ってきた人)と本省人(台湾人)との軋轢というか、摩擦が描かれていますね。

    小四の親も小明の親もハニーも外省人。

    監督のエドワード・ヤン自身も外省人で、1949年に家族とともに台北に伊集して、小四と同様に建国中学校夜間部に入学しているとのこと。

    この実際に起きた、中学生男子による殺人事件「牯嶺街少年殺人事件」は1961年なので、ヤン監督がだいぶ大人になって時に起きており、衝撃を受けてこの映画を製作した、とのこと。




    ■感想

    実際に起きた事件に至るまでの流れ(社会的背景と、個々人の状況と感情)が綿密にじっっくりと描かれます。

    実話部分も多いかと思いますが、監督脚本のエドワード・ヤンの解釈も少なくない量入ってると思われます。

    ****

    淡々と進んでいくんですが、普通の町中を戦車がガーッと通っていくシーンが挿入されたり、画面の中心で会話している人物たちの外や奥でいつも何かが起きてる。
    閉じた世界ではなく、常に自分たち以外の世界が動いているというのが音と映像で描かれ、重ねられていく。

    そして、その自分たち以外の世界が実は強烈に自分たちに影響を与えている。わかりやすく自覚できることもあれば、自覚なしに自分の心や他者の関係にジワジワ影響を与えている。

    で、中盤で突如、大殺戮が繰り広げられまして、、そのしばらく続く大殺戮シーンもこれまた素晴らしいんですが、、

    「あぁこれが少年たちによる殺人事件かぁ」などと気を緩めて、後半に突入すると…。。。

    ****

    社会の影響を最終的にもっとも受けるのは社会的弱者。今作で描かれるのは子供。

    子供ってのはマイノリティではないけど声をあげても聞いてもらえない存在。だからこそ、負けないように食われないように徒党を組んで不要な対立構造を生んでしまったんですね。

    本当なら、負けも食われもしない社会でなければいけなんだけど。

    大人たちが勝ち負けのある社会で食ったり食われたりしてるから、子供たちもそれを真似る。

    社会から子供へと一方的に影響を与える。子供の中でもまた、少年(男)から少女(女)へと一方的に影響を与える。

    もし逆行して、少女(女)から少年(男)へと影響を与えてしまったら………。

    というのがこの映画の肝かと。
    この事件の真相というか、仕組みというか、個々人の感情を、監督がこのように解釈したのでしょう。

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    ■花恋とクーリンチェ


    何年も前に一回挑戦したんですけど、その時はリマスター版じゃなくて、登場人物の顔もよく見えないし、そもそも顔もよく見えないし、名前も本名とあだ名(小四/張震)が普通に出てくるし、個人名なのか地名なのかグループ名なのかもわかんないし、そうでなくても前半は淡々としてどこに話が向かってるのかもわかんないし。

    ってことで挫折しました。
    いつかはちゃんと観なきゃと思っていたところに『花束みたいな恋をした』で有村架純による
    「クーリンチェそろそろ終わっちゃうよ」的なセリフが。

    2016年に2人は新居に引っ越し、2017年1月に麦が就職。
    で、2人は東京に住んでるし、たぶん2017年8月の下高井戸シネマでの上映のことかと。


    ***


    『牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件』四コマ映画→ 4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_...


    ***


    下高井戸シネマは僕は当時自転車で行けるくらいの距離で確かに「クーリンチェやるんだぁ」と意識していた記憶が。

    ただ4時間弱と言う上映時間と一回の挫折もあり、結局行かなかった。。

    で、あまりにも『花束みたいな恋をした』が心に刺さり過ぎて何か行動を起こして消化して疲労していかないとずっと『花恋』を引きずる2021年になってしまう!と思い、『牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 <デジタルリマスター版>』観たよ!



    ■デジタルリマスター版、最高!スコセッシグッジョブ!


    マーティン・スコセッシが設立した映画保存団体「フィルム・ファンデーション」によってリマスターされたから今作、最高!

    映像がくっきり!
    こんなに顔見やすかったっけ!
    そして小明ってこんなに可愛かったっけ!
    前より可愛くなってない!?

    映像がハッキリすると色彩や構図の美しさが伝わってくるし、人物の表情も見えてくるから、物語がわかりやすい(前よりね。基本難しいんですけど…)。

    てことでスコセッシグッジョブ!『羅生門』のデジタルリマスター版も良かった!



    ■時代背景

    「1949年頃、中国から数百万人が国民党政府とともに台湾へと渡り、誰もが安定を願った。しかし子供たちはその成長過程で大人の不安を感じ取り少年らは徒党を組んだ。
    脆さを隠し、自分を誇示するかのように。」

    上記の文字が映画冒頭で表示されます。不安定な社会情勢と腐敗した大人たちの影響を受けて、不安定な青春を余儀なくされた子供たちの話、なわけですね。
    社会の影響を末端で受けるのは子供だと。

    Wikipediaによると

    「1945年の日本敗戦後も台湾独立運動は起こらず、中華民国への「祖国復帰」を多くの台湾人が大きな抵抗もなく受け入れたが、実際に中華民国による統治が始まると、台湾人の多くは腐敗した国民政府に失望し、台湾人と「中国人」の違いを次第に自覚するようになった。戦後の台湾独立運動は、このような出発点に立ち、中華民国体制を克服し、大陸の中華人民共和国による支配をも拒絶する運動、即ち「中国人」ではなく「台湾人」として生きるための運動として展開されている。」

    とのこと。
    今作でも、外省人(中国から渡ってきた人)と本省人(台湾人)との軋轢というか、摩擦が描かれていますね。

    小四の親も小明の親もハニーも外省人。

    監督のエドワード・ヤン自身も外省人で、1949年に家族とともに台北に伊集して、小四と同様に建国中学校夜間部に入学しているとのこと。

    この実際に起きた、中学生男子による殺人事件「牯嶺街少年殺人事件」は1961年なので、ヤン監督がだいぶ大人になって時に起きており、衝撃を受けてこの映画を製作した、とのこと。




    ■感想

    実際に起きた事件に至るまでの流れ(社会的背景と、個々人の状況と感情)が綿密にじっっくりと描かれます。

    実話部分も多いかと思いますが、監督脚本のエドワード・ヤンの解釈も少なくない量入ってると思われます。

    ****

    淡々と進んでいくんですが、普通の町中を戦車がガーッと通っていくシーンが挿入されたり、画面の中心で会話している人物たちの外や奥でいつも何かが起きてる。
    閉じた世界ではなく、常に自分たち以外の世界が動いているというのが音と映像で描かれ、重ねられていく。

    そして、その自分たち以外の世界が実は強烈に自分たちに影響を与えている。わかりやすく自覚できることもあれば、自覚なしに自分の心や他者の関係にジワジワ影響を与えている。

    で、中盤で突如、大殺戮が繰り広げられまして、、そのしばらく続く大殺戮シーンもこれまた素晴らしいんですが、、

    「あぁこれが少年たちによる殺人事件かぁ」などと気を緩めて、後半に突入すると…。。。

    ****

    社会の影響を最終的にもっとも受けるのは社会的弱者。今作で描かれるのは子供。

    子供ってのはマイノリティではないけど声をあげても聞いてもらえない存在。だからこそ、負けないように食われないように徒党を組んで不要な対立構造を生んでしまったんですね。

    本当なら、負けも食われもしない社会でなければいけなんだけど。

    大人たちが勝ち負けのある社会で食ったり食われたりしてるから、子供たちもそれを真似る。

    社会から子供へと一方的に影響を与える。子供の中でもまた、少年(男)から少女(女)へと一方的に影響を与える。

    もし逆行して、少女(女)から少年(男)へと影響を与えてしまったら………。

    というのがこの映画の肝かと。
    この事件の真相というか、仕組みというか、個々人の感情を、監督がこのように解釈したのでしょう。

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published : 2021/03/01

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