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サウンド・音楽 > サウンドアート

森のトンネル

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森のトンネル

by Tome館長

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    家はドーナツ状の森の中央広場にあって
    外出する時は森のトンネルを抜けてゆく。


    ところが、その日
    昼なお暗いトンネルの途中に美女がいて
    おれの前に立ちはだかった。


    おれは尋ねる。

    「こんなとこで、なにしてる?」


    美女は両腕を広げて答える。

    「通せんぼ」


    おれはムッとして
    美女を押しのけようと張り手を出す。

    その途端
    見事な一本背負いで投げられてしまった。


    おれは受身で衝撃を最小限に食い止め
    なんとか平静を装いながら立ち上がる。

    「ふん。小癪な」


    小娘に負けてなるものか。

    おれは服を脱ぎ
    裸になって四股を踏み始めた。


    「ふん。粗末な」

    吐き捨てるように呟くと
    美女も服を脱いで裸になった。


    だ、だまされた。
    小娘どころではなかった。

    美女は悪魔の如く微笑み
    天使の如く白き両腕を広げる。


    くそっ。

    どうしても通らせてはくれないらしい。
     

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森のトンネル

by Tome館長

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    家はドーナツ状の森の中央広場にあって
    外出する時は森のトンネルを抜けてゆく。


    ところが、その日
    昼なお暗いトンネルの途中に美女がいて
    おれの前に立ちはだかった。


    おれは尋ねる。

    「こんなとこで、なにしてる?」


    美女は両腕を広げて答える。

    「通せんぼ」


    おれはムッとして
    美女を押しのけようと張り手を出す。

    その途端
    見事な一本背負いで投げられてしまった。


    おれは受身で衝撃を最小限に食い止め
    なんとか平静を装いながら立ち上がる。

    「ふん。小癪な」


    小娘に負けてなるものか。

    おれは服を脱ぎ
    裸になって四股を踏み始めた。


    「ふん。粗末な」

    吐き捨てるように呟くと
    美女も服を脱いで裸になった。


    だ、だまされた。
    小娘どころではなかった。

    美女は悪魔の如く微笑み
    天使の如く白き両腕を広げる。


    くそっ。

    どうしても通らせてはくれないらしい。
     

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published : 2010/02/24

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