ゆめみ愛

m
r

ゆめみ愛

イラストレーター

  • 3

    Fav 452
  • 9

    View 1,675,053
  • p

    Works 701

WORKS

イラストレーション > イラスト

2018年6月恋の魔法とおまじないカレンダー

9

View
462

3

Fav
2

1

Comment
0
  • C
    作品を拡大
  • B
    作品一覧
  • C
    作品を拡大
  • B
    作品一覧
  • C
    作品を拡大
  • B
    作品一覧

Other Works

jシェア

2018年6月恋の魔法とおまじないカレンダー

by ゆめみ愛

  • iコンセプト

    舞台設定 ーーーーーーーーー

     物語り「黒騎士・・」

     それは満月の夜。

     ベッドに起き上がり、ポカンと彼の冷たい海のオーロラのような瞳を見つめる。

     姿を見たら殺されると人々におそれられている。
     黒騎士が なぜ 自分のベッドの足元に立っているのだろう。

     ふいにずっと彼の唇が動いているのに気づく。

    「おい」
    「セイレーン?」
    「もしかして・・お前、聴こえないのか?」
    「歌姫が耳が聴こえない?」
    「ごめんなさい!大丈夫です。耳は聴こえないけれど唇の動きでわかります!」

     正確には耳は封印してある。

     彼女は耳が「良すぎる」のだ。
     封印の耳飾りを外せば人の心の奥の声が聞こえてしまう。

    「・・そうか、今日は頼みがあってきた。妹にお前の歌を聴かせてほしい。ノンは人魚の歌姫と呼ばれるセイレーンのファンなんだ」

     ひょっこり。
     彼の黒い着衣の下から、妖精のような緑の神の少女が顔を出す。
     兄の瞳と似たオーロラの瞳がキラキラ 全く違う優しい光りをはなち見つめる。

    「?」
     私の歌ならコンサートで聴けるはずだけれど・・。

    「妹はコンサートには行けない。娼館に閉じ込められている」
    「え?」
    「僕たちは孤児で、ばらばらに売られた。妹は娼館に。僕は・・暗殺集団に。僕はそこから師匠に救われて黒騎士になった。でもまだノンを娼館から買い取るほどのお金がたまっていない」

     こんなあどけない少女が娼館に?
     でも・・この滅びかけのハートの国でさえ12歳以下の子供が体を売ることは禁止されているはずだ。

    「まだ ノンは8歳だから娼婦の小間使いをしている。でも12になったら・・。何をしてでもお金を貯めて 12歳までに必ず、救い出す」

     オーロラの瞳が陰る。

    「今日はノンの願いを叶えたくて、こっそり連れて来た。でも1時間ほどで娼館に返さないとばれる。今すぐ歌え」

     彼の持つ黒い刃がのど元につきつけられる。

    「嫌がるなら無理やりでも歌わせる」

     見張りの兵士が気配に気づき走ってくるのを制する。

     ベッドから出た彼女の足を見て黒騎士が息をのむのがわかる。
     彼女は人を操るほどの圧倒的な歌声から人魚の歌姫と呼ばれる。
     それはある意味本当の彼女のままの呼び名。
     歌声を恐れて滅ぼされた人魚の最後の一人なのだから。

     いつもは魔法の靴で人の足に見せているけれど今は人魚のままの姿。
     脅かされなくたって歌うと、セイレーンはそっと思う。
     だって彼女は、冷たいオーロラの瞳に恋をしたのだから。

     お終い

    ーーーーーーーーーーーーーー

  • iタグ

    カレンダー 恋の魔法とおまじない
  • iライセンス

    設定しない

1

Comment

  • FAVをして作品の感想・コメントを残しましょう

    3
    FAV

jこのページをシェア

2018年6月恋の魔法とおまじないカレンダー

by ゆめみ愛

  • iコンセプト

    舞台設定 ーーーーーーーーー

     物語り「黒騎士・・」

     それは満月の夜。

     ベッドに起き上がり、ポカンと彼の冷たい海のオーロラのような瞳を見つめる。

     姿を見たら殺されると人々におそれられている。
     黒騎士が なぜ 自分のベッドの足元に立っているのだろう。

     ふいにずっと彼の唇が動いているのに気づく。

    「おい」
    「セイレーン?」
    「もしかして・・お前、聴こえないのか?」
    「歌姫が耳が聴こえない?」
    「ごめんなさい!大丈夫です。耳は聴こえないけれど唇の動きでわかります!」

     正確には耳は封印してある。

     彼女は耳が「良すぎる」のだ。
     封印の耳飾りを外せば人の心の奥の声が聞こえてしまう。

    「・・そうか、今日は頼みがあってきた。妹にお前の歌を聴かせてほしい。ノンは人魚の歌姫と呼ばれるセイレーンのファンなんだ」

     ひょっこり。
     彼の黒い着衣の下から、妖精のような緑の神の少女が顔を出す。
     兄の瞳と似たオーロラの瞳がキラキラ 全く違う優しい光りをはなち見つめる。

    「?」
     私の歌ならコンサートで聴けるはずだけれど・・。

    「妹はコンサートには行けない。娼館に閉じ込められている」
    「え?」
    「僕たちは孤児で、ばらばらに売られた。妹は娼館に。僕は・・暗殺集団に。僕はそこから師匠に救われて黒騎士になった。でもまだノンを娼館から買い取るほどのお金がたまっていない」

     こんなあどけない少女が娼館に?
     でも・・この滅びかけのハートの国でさえ12歳以下の子供が体を売ることは禁止されているはずだ。

    「まだ ノンは8歳だから娼婦の小間使いをしている。でも12になったら・・。何をしてでもお金を貯めて 12歳までに必ず、救い出す」

     オーロラの瞳が陰る。

    「今日はノンの願いを叶えたくて、こっそり連れて来た。でも1時間ほどで娼館に返さないとばれる。今すぐ歌え」

     彼の持つ黒い刃がのど元につきつけられる。

    「嫌がるなら無理やりでも歌わせる」

     見張りの兵士が気配に気づき走ってくるのを制する。

     ベッドから出た彼女の足を見て黒騎士が息をのむのがわかる。
     彼女は人を操るほどの圧倒的な歌声から人魚の歌姫と呼ばれる。
     それはある意味本当の彼女のままの呼び名。
     歌声を恐れて滅ぼされた人魚の最後の一人なのだから。

     いつもは魔法の靴で人の足に見せているけれど今は人魚のままの姿。
     脅かされなくたって歌うと、セイレーンはそっと思う。
     だって彼女は、冷たいオーロラの瞳に恋をしたのだから。

     お終い

    ーーーーーーーーーーーーーー

  • iタグ

    カレンダー 恋の魔法とおまじない
  • iライセンス

    設定しない

published : 2018/12/14

閉じる
k
k