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Comment福娘童話集様で描かせていただいた昔ばなし「人食い鬼の娘」のその後の物語を
ご厚意で書かせていただいたオリジナルストーリーです
「また会えるだろうか」
「え?」
ふりかえると
夕日よりも赤く染まった若者の頬
「会いたい」
娘鬼の頬も染まっていく
父親鬼が
「またわしと勝負したいのか?
よし!わしはいつでもいいぞ!」
一気に上機嫌になり
ガハハととどろきのような笑い声をあげる
「手下ども!さっそく鬼村に帰って鍛錬だ!」
「ええ~~~~」
「あの山をもう少し上がった所に、チビ鬼どもの遊び場がある
わしに会いたければ、チビどもに伝言すればいい」
がはは
山々を揺らせる大きな笑い声がしだいに遠ざかっていく
でも若者には
「また・・」
娘鬼の鈴をころがしたような小さなささやきが
いつまでも耳に優しく熱く残っていた
・・・・
次の朝
昨夜は若者の姿が心から離れず
眠れなくて
「会いたい」
「でも・・人間の村にはきれいな人がたくさんいるやろし
わざわざ人食い鬼の娘になんか会いに来てくれへんかも」
涙があふれる
その時
「姉ちゃん!」
チビ鬼が走ってきて
娘鬼の髪と同じ赤い花の枝に付いた手紙をわたす
「人間の兄ちゃんが、渡してって」
震える指で手紙を開く
「会いたい
あの峠でまた会えぬだろうか?
夕刻待っています
会えるまで毎日待ちます」
温かい涙が
ポタポタ
まだ夕刻には早いのに
髪を梳いたり着物の埃をはらったり
その様子を
最初は怒りの血管を浮き上がらせてみていた父親鬼
でも幸せそうな娘鬼に
しだいに優しい表情になって
「あの若者は婿養子に来てくれるだろか?」
早、心が先走る
夕刻より少し早い時間
2人はあの峠で再会し
そして
2人が無事に結ばれるかは
別の物語で
お終い
おまけのその後の人食い鬼の娘(福娘童話集様より)
by ゆめみ愛
福娘童話集様で描かせていただいた昔ばなし「人食い鬼の娘」のその後の物語を
ご厚意で書かせていただいたオリジナルストーリーです
「また会えるだろうか」
「え?」
ふりかえると
夕日よりも赤く染まった若者の頬
「会いたい」
娘鬼の頬も染まっていく
父親鬼が
「またわしと勝負したいのか?
よし!わしはいつでもいいぞ!」
一気に上機嫌になり
ガハハととどろきのような笑い声をあげる
「手下ども!さっそく鬼村に帰って鍛錬だ!」
「ええ~~~~」
「あの山をもう少し上がった所に、チビ鬼どもの遊び場がある
わしに会いたければ、チビどもに伝言すればいい」
がはは
山々を揺らせる大きな笑い声がしだいに遠ざかっていく
でも若者には
「また・・」
娘鬼の鈴をころがしたような小さなささやきが
いつまでも耳に優しく熱く残っていた
・・・・
次の朝
昨夜は若者の姿が心から離れず
眠れなくて
「会いたい」
「でも・・人間の村にはきれいな人がたくさんいるやろし
わざわざ人食い鬼の娘になんか会いに来てくれへんかも」
涙があふれる
その時
「姉ちゃん!」
チビ鬼が走ってきて
娘鬼の髪と同じ赤い花の枝に付いた手紙をわたす
「人間の兄ちゃんが、渡してって」
震える指で手紙を開く
「会いたい
あの峠でまた会えぬだろうか?
夕刻待っています
会えるまで毎日待ちます」
温かい涙が
ポタポタ
まだ夕刻には早いのに
髪を梳いたり着物の埃をはらったり
その様子を
最初は怒りの血管を浮き上がらせてみていた父親鬼
でも幸せそうな娘鬼に
しだいに優しい表情になって
「あの若者は婿養子に来てくれるだろか?」
早、心が先走る
夕刻より少し早い時間
2人はあの峠で再会し
そして
2人が無事に結ばれるかは
別の物語で
お終い
published : 2016/12/27