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Comment2018年7月10日 京都/ギャラリーソラト『幻想藝術考』出展作品
象は赤子の頃、手足を拘束され数人がかりで押さえつけられて殴られ蹴られ、ブルフックと呼ばれる拷問具で何日も虐待をうける。それが人に逆らえないと思い込み暴れない様に調教する破壊の過程。巨大な身体に成長しても象はブルフックを見ると子供時代の虐待を思い出し怯えて玉に乗り、逆立ちをしひょうきんな芸をする。
また、ハンディキャップや金銭、家族をダシに脅しつけられた団員達も危険な曲芸を命じる支配者に逆らわない。ここ以外に居場所はないと教えられるのだ。足に繋がれた杭は簡単に抜け自由に逃げ出せないと思い込んでいる。本当はいつでも杭は抜ける、ハンデが輝く場所も沢山ある、作品や人格を否定されても平凡だ馬鹿だ劣っていると罵られても、それはいつでも抜ける見えない杭にすぎない。世の中に誰ひとりとして同じ人間はいない。全員が特別で大事な存在。狭いサーカスのテントは道化師が支配のために振り回したブルフックによって引き裂かれている。ライトではない太陽の光が差し込んでいるのに気がついて欲しいという祈りと願いの絵。