狐の宿：2

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• Y.YOSHIO

  2024/06/26 01:02

  白狐に化かされた男の旅人の話パート2です。
  
  男が隣の街に商に行こうと山里を歩いているとすっかり日が暮れてしまった。
  月の明かりを頼りにしばらく歩いてゆくと立派な茅葺き屋根の家を見つける。
  玄関の表札を見るとちゃんとした旅館らしい。
  人里離れた山奥にこんな旅館があるとはと不思議に思ったが、これ以上、山道を進むのは危険でもあるし腹も減ったし脚も疲れた。
  玄関を開けて一晩だけ泊まれないか聞くと、部屋もあるし風呂も沸いていると子供のような女中が言う。
  部屋に通され休んでいると、この旅館の女将だと言う女が挨拶に来た。
  こんな山奥には不釣り合いな楚々とした色白の和服美人で、
  「きっとこれは狐に化かされているのではないか」と頬をつねってみた。
  「痛い」これは夢ではないと男は考えた。
  しかしこの時、他人から頬をつねってもらわなかったのがいけなかった。
  こうして一晩中、夢の様なエピソードが始まるのであるが…。

狐の宿：2

by Y.YOSHIO

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