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Tome館長

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  • ダメよ。

    あら、ダメよ。
    まだまだ我慢して。

    あせっちゃ、ダメ。


    まあ、いやな目。
    そんな顔、しないの。

    ほんとに、もう。


    ねえ、いい? 
    よーく考えてよ。

    モノゴトには、裏と表があるの。

    みんな、そうよ。
    聞こえる声が、いつもホンネとは限らないわ。

    そりゃ、信じるのは簡単よ。
    でも、疑うのも簡単。


    ううん。
    そうゆーのじゃなくて。

    踊ってるつもりで、踊らされてるような。


    ああ、もう。
    うまく言えないな。

    とにかく、もっと想いをめぐらせて欲しいの。


    ああ、ダメ。
    ダメよ。

    ホントにダメだったら!

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    • Tome館長

      2015/01/13 10:54

      「koebu」で朗読していただきました!

    • Tome館長

      2015/01/13 10:53

      「ゆっくり生きる」はるさんが動画にしてくださいました!

  • 別れの言い訳

    どんなに愛しくても 
    いつまでも一緒いられるものではない。

    また仮に 
    いつまでも一緒にいられるとしても

    互いの愛しい気持ちは 
    どうしても変わらざるを得ない。


    その気持ちの変化は 
    昔の気持ちの裏切りであるかもしれないけれど 

    今の気持ちの偽りであるよりは 
    まだいくらか罪の目方は軽い気がする。

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  • 暗く長い廊下

    2015/01/08

    思い出

    暗く長い廊下の向こうには 
    石炭置き場がある。

    その当時の学校のストーブは 
    電気でも石油でもなくて 
    石ころの石炭を燃やしていたのだ。

    崩れた崖のような黒い石炭の斜面をスコップで掘り 
    銀色のブリキのバケツに移す。

    そして 
    それを教室まで運び 
    ストーブの脇にある木箱に移す。

    その日の当番の仕事だったが 
    僕はこの仕事、わりと嫌いではなかった。

    誰かがやらねばならない仕事だったし 
    それゆえ皆に感謝もされたから。

    もちろん 
    そんなに好きなはずも
    なかったけれど。

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  • 友だちはいない

    2015/01/07

    ひどい話

    「助けてくれよ」
    「いやだね」

    「薄情だな」
    「その通り」

    「友だちだろ?」
    「俺に友だちはいない」

    「そんな」
    「いるのは、敵。でなかったら、手下」

    「この際、手下でいいからさ」
    「それが手下の態度か」

    「この通りです。お願いします」
    「ふん。まあいいだろう」

    「では、助けていただけるのですね」
    「いいや」

    「どういうことですか」
    「おまえが俺を助けるのさ」

    「はっ?」
    「おまえは俺の盾に過ぎない」

    「・・・・盾?」
    「そうだ。矢玉を受けて死ね!」

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  • 神殿の巫女

    2015/01/05

    愉快な話

    聖なる神殿の中 

    秘めやかなる祭壇の前で 
    麗しき巫女がひとり泣いていた。


    彼女は知ってしまったのだ。

    この身の行く末と 
    この世の行く末を。


    その時 

    祭壇の上に 
    神が光臨された。


    神はおっしゃられた。
    「聡明な娘よ。私を見なさい」

    巫女は見上げた。


    神は祭壇の上で 
    裸踊りをなさっておられた。

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  • 眠れない羊飼い

    2015/01/02

    愉快な話

    あるところに 不眠症の羊飼いがいました。

    羊毛みたいな白いヒゲがご自慢の 
    この老いた羊飼いの悩みの種は 眠れないことでした。

    「眠れない夜は 羊を数えると 眠れますよ」
    近所の奥さんが そう教えてくれました。

    「わしは毎日 羊を数えておるよ。
     それが わしの仕事じゃからの」

    「あら。それじゃ あなた、きっと眠っているんですよ」

    そこで目が覚めました。
    元旦の朝でした。

    これは 羊を数える老いた羊飼いの 初夢だったのです。

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