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Comment【忘れてしまう前に/閉じ込めた星屑/いつかの記憶】
大人になるとみえなくなるものが沢山あるような気がします。
幼い思い出の中の景色や感覚はどれも鮮やかで、
今とは違う世界を見ていたのではないかとすら思えるほどです。
もしかしたら、昔とくらべて星が減った理由は空気が濁ったせいでなく、
こどもにしか見えない星があったからではないか
もしかしたら、忘れてしまっただけで、
わたしたちはこどもの頃にみえないともだちと遊んでいたのではないか
もっと沢山の声を聴いていたのではないか
例えば夜空をつい見上げてしまうのは、
そういったかつてそばにいた[やがてみえなくなるもの]達は
やがては星に紛れて消えていき、その光が記憶を揺さぶるからだとして、
例えばずっとずっと遠い場所、もしかしたら違う星で、
そういった星屑をすくいあげては加工するような誰かがいて、
でもまれに強い思いをのこしたものはうまく扱えずに割れてしまったりして、
これはどこの誰の思い出だろうかと、その誰かもまた思いをはせていたりするのでないか
例えば花の香りに胸がうずくとき、ふいに理由もわからぬまま懐かしい気持ちになるとき
ほんとうになにか忘れているのではないか、これはその鍵になるなにかではないのかと
つい想像を巡らせることがあります。
遠い昔に隣りにいたのかもしれない
忘れまいと必死に手を握っていたかもしれない
どこか遠い場所で、星屑の中に閉じ込められているかもしれない
大人になって思いだせなくなってしまった、いつかの記憶のおはなしを
3つの枠におさめました。
2015.11 ギャラリー龍屋「ZEROTEN」(※連作)
published : 2015/12/01