みんないっぺん落ちようよ!
2011/07/06
学生の私は最低人間だった。
自覚は全くゼロ。
私は学生のとき、いい子で過ごしてきた。
中学でもそこまで勉強しなくても何となくできてて、
成績が悪い人を見下していた。
それも無自覚に…。
高校は進学校だった。
せめて上から4つ目までの学校に入れよと
親から言われていた私は、
それ以外の自分より成績の悪い学校の生徒を見下し、
逆に県トップの学校に通っている人は、自分よりランクが上、
すごい人だと思っていた。
そんな価値観を自然と持っていた。
そして、それを全く悪いことだとも思っていなかった。
私なら何でもやれる!
…なんて思っていた。まさか私ができない訳がない。
だって、少なくとも中よりは上だから。
そんな私の価値観がひっくり返ったのは、
卒業後、実家の自営を手伝えと言われ、
家に帰ったはいいけれど、経営状態が悪すぎて給料が出ず、
バイト人生がスタートした。
私がまさかフリーターなんて!
そこから昔ダメだと思っていた、
自分が底辺だと思っていたフリーター生活をし始めたのだ。
でも、何一つダメじゃなかった。
調理で裏方やっている人もすごくかっこ良かったし、
みんなちゃんと自分の意見をもっていた。
格差で人を判断しない考え方。
すごくカッコいいと思ったし、はっきりと目が覚めた。
それでまた、ちゃんとこれから
どうするか考えようと思ったのだ。
私は思う。もし私がすんなり就職して、
多少の苦労はあっても、
何とかそのまま生活していったとしたら、
本当にわからないままいたと思う。
人を見下していることに自分で気がつくこともできない。
すべての価値観が学歴や職歴、立場の善し悪し。
人としても最悪だけれど、
自分として、それを知らないことがすごくもったいない。
まっさらな目にうつる、色眼鏡のない世界。
何も知らなかったら、ものすごく怖いことになっていた。
でも、元々そんな考えを持っていたから、
やっぱり負け犬の遠吠えなのかなあ。
…って思いが長い間かすめていた。
そんなあるとき、昔の私の言う成功者に会ったのだ。
そのとき、目から鱗。
ただその職業を選んだというだけで、
相当な努力はしたんだろうから、本当にすごいけれど、
人として見てみると、
もちろんそれでもいい人はいるんだろうけれど、
私の会った人は、その地位を誇示していて、
何かで賞を取ったとか、国立のどこ大学とか…
そういうことにしがみついてしまっている。
全然人としての気持ちにおいて、
何の考えも感じられなかった。
そのとき初めて負け犬じゃなかったことを確信した。
本当、一回落ちないと怖い。
切実に思う。
私はそのまま行っていたら、
了見のすごくせまい、情けない私になっていたことだろう。