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2016/04/08
来て頂いた皆様ありがとうございました。
有り難いお言葉を沢山いただけて大変嬉しく、励みになりました。
次に生かせるようにしたいと思います。
遅くなりましたが、メインの作品の解説を少しだけ。
解説とかは別にいらないなー、って方はブラウザバックかウインドウを閉じて下さい。
(本当は下記の平面のほかに立体2点でいくつもりでしたが間にあいませんでした!)
今回は(毎回やってるだろ感はありますが)言葉遊びをしたものを作ろう、というのがコンセプトでした。
そこではなく、という言葉と、いつも通り夜がモチーフです。
■底では亡く
テーマは死と安定。
頭と体の間にあるのは水の境目。
沈んで、水中にゆっくりと魂が溶けだしていき、
やがて底に辿り着いた体は既に亡き骸になっています。
解けた魂を養分として草木が少し生えたり、水底の色を色づけたり。
それでも夜の暗さの中でしかなく、それもすぐに鮮やかさを失います。
ですが、これより底は無く、溶けるものは無いのだと言う安心感も同時にあるので
屍はまっすぐに立っていられるのです。
■底では無く
DMに使用した一枚です。
テーマは不安。
うつむいた人々の目に映るのは地面です。
影や汚れはあれど地面であり、まだ底ではありません。どれだけ眺めた所で見えません。
もっと陰鬱とした、どこか不安になるようなものがもっと深くに沈んでいるのではないか。
見えない何かがやがて出てくるのではないか。
そんな不安を抱えて、人は地面を眺めます。
しかし見えている所はまだ底では無いのです。
■そこでは泣く
夜、一人で嗚咽を漏らす人の絵となります。
テーマは不安の解消。
明るい場所では泣くことはできずとも一人でならば泣けるという人は少なくは無いでしょう。
そこでは泣く事ができるのです。
寂しさを含みながらもそういう場所があると言うのはどこまでも安堵するものです。
やせ我慢し、どれだけモノクロの世界であっても、
零れる涙だけは感情を伴うので鮮やかになりました。
■其処で花咲く
変則タイトルですが、口に出した時に絵が浮かんだ勢いで。
テーマは眩しさと暖かさ。
人に花が咲く場所はどこだろう、と考えた時に浮かんだのは顔の部分でした。
安直かもしれませんが、感情というものが一番見た目に浮かぶ場所だと思います。
そして感情が出ることによって、余計にその人の本質が照らされるのかも知れません。
でも、眩しいものが本当に見えるのかと言われると、逆に眩しすぎて見えない事も多いでしょう。
暗い夜の、どこまでも重い体を引きずっていたところで其処だけは花が咲く、という形になりました。
なお一番評判が良かったと思います。多分。
■そこでは鳴く
テーマは見えないもの。
首の無い生き物が、暗闇にまぎれて鳴き声を上げる。
それがどういった生き物かは分からないし、声も分かりません。
暗闇の中というのは見えないので誰だって好き勝手に声を上げることが出来るのではないでしょうか。
昨今インターネットの上で好き放題良いことも悪いこともみんな呟くのも
その匿名性あってこそのものだと思っています。
色とりどりの鳴き声を、得体のしれないものが上げています。
そこでは鳴き声をあげられるのです。
■其処では無く(上)
■其処では亡く(下)
上から。テーマは探索。
居場所というものは誰にも分からないものです。
今いる場所も、其処では無い、此処では無いと
探し続けて夜の中を放浪しながらも、居場所に夢を見て鮮やかな思考を中空へと放りだします。
下の絵。テーマは喪失。
花が咲くと言うのは何かしらの養分として誰かの命を使う事です。
其処では何かが亡くなった。そうして花が咲いた。
でも、命が失われた時に誰かはその死を悼む事が多く咲いた花を見ても悲しい目には暗く淀んで見えるのです。