フクイヒロシ

m
r

フクイヒロシ

イラストレーター

  • 3

    Fav 6,434
  • 9

    View 377,234
  • p

    Works 659

WORKS

イラストレーション > イラスト

四コマ映画 『本気のしるし 劇場版』

9

View
327

3

Fav
12

1

Comment
0
  • C
    作品を拡大
  • B
    作品一覧

Other Works

jシェア

四コマ映画 『本気のしるし 劇場版』

by フクイヒロシ

  • i作品URL

    4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_...

  • iコメント

    いやぁ圧倒されたし笑った。。
    森崎ウィンの「は?」と「え?」が絶妙で。。

    『本気のしるし 劇場版』四コマ映画 → 4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_...


    ↑一コマ目の「なぐさめてあげる♥️」 は『電影少女』からの引用です。
    〝あい〟のビデオのタイトルです。

    ***


    『本気のしるし』は、青年誌での恋愛漫画であり同時に「青年誌での恋愛漫画」を批評的に描いた漫画である、とのこと。

    読者層である男性を喜ばせる(困らせたり惑わせたりじらしたりするのも含む)ために生産された女性キャラが、現実世界に存在したらそれって結構悲しい存在じゃない?
    というのが『本気のしるし 劇場版』。

    (これも『本気のしるし 劇場版』の一側面に過ぎないのですが)


    **

    たしかに僕が子供の頃読んでた漫画にもそういうキャラが出てきてたなぁと
    『電影少女』の〝あい〟、
    『ろくでなしBLUES』の千秋などを思い出しました。

    千秋なんかはトロフィー(マクガフィン)として話の盛り上がりのために何回も拉致されて、あまりにも拉致されるから次第に読者からも「アイツすぐ拉致されんじゃん!」と嫌われていってしまう…という悲しき存在。。


    『電影少女』の〝あい〟にいたっては「感情を持ってしまった」女性キャラ。。
    感情を持ってしまった、ってすごいですよね。。


    **


    この映画は、
    ほとんど球体?ってくらいの多面性を持っているので、
    何か一つ語るといやそうじゃない、それだけじゃないってグルグルと逡巡してしまう。

    観ている最中も
    登場人物たちの行動に対してある感想を抱くと
    「その感想ってどうなの?」と他の登場人物が揺るがしてくる。

    心をどこかに落ち着かせたい、こいつが悪いんだ!と結論づけて楽になりたいのに
    一人として同じキャラのいないこの映画の中では
    「あぁ!おれってなんて浅はかな人間なんだ!」と価値観が何度も揺るがされる。


    そんな中で、一番自分と合致したセリフは、
    事もあろうに反社会勢力の脇田が言う
    「おれはバカな男とバカな女が地獄に落ちるのを見たいだけだよ」。。

    脇田という役は観客代表だなぁと思って観ていたら
    このセリフ言われちゃって、あ、同じこと思ってたわ、、って
    僕も反社と同じなのか…と。。


    **


    3時間52分あるんですが
    もともと10話の30分テレビドラマなので
    コンスタントに盛り上がりや〝ひき〟が来ますから
    ほんとに飽きることはないですよ。

    『サタンタンゴ』みたいに10分待つシーンでは10分待ってる様子を見せられたりはしませんので、ご安心を。
    ドラマを全話一気見する贅沢さ、興奮がありますよ。



    **


    簡単にまとめることのできないテーマを描いてそのままの状態で提示される。

    あいつが悪でした、チャンチャン♪とはいかない。

    ものすごく微妙なところを突いてくる。
    観てる側の価値観を何度も揺るがし続けてくる。
    こっちはただ映画観てるだけなのに。。
    深田晃司はスタンド使いなのか?
    遠隔操作型か?



    **

    この映画、どうかしてる人はいっぱいいますし、全員ヤバいんですけど、、責任を押し付けられるような一人というのはいない。

    悪者がいない、というのは『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』がそうでしたね。

    オリヴィア・ワイルド監督曰く
    映画の中にかならず悪者を登場させると現実世界にもかならず悪者がいると思ってしまう。
    とのこと。

    現実世界で自分がうまくいかないのは誰か悪者がいるからに違いない。
    悪者は誰だ、と悪者探しを始めてしまう。

    悪者がいると楽。
    対立構造は単純で頭使わなくて良い。

    大人になってくると
    明らかな悪者なんてそうそういないということがわかっています。
    相手が抱える事情やタイミングを慮れるようになる。


    「アイツは悪者だ、アッチは敵だ」と仮想敵を作っていくのは
    すごく単純でもしかしたらその都度快感なのかもしれないけど、
    大人であればわかるけど
    それの行き着く先はポジティブなものではない。


    そう考えるとさすが深田晃司!
    最先端ですよ。
    こんなにもぬるぬるのぐちゅぐちゅした内容なのに、映画の外形は鋭い!!

  • iライセンス

    設定しない

1

Comment

  • FAVをして作品の感想・コメントを残しましょう

    3
    FAV

jこのページをシェア

四コマ映画 『本気のしるし 劇場版』

by フクイヒロシ

  • i作品URL

    4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_...

  • iコメント

    いやぁ圧倒されたし笑った。。
    森崎ウィンの「は?」と「え?」が絶妙で。。

    『本気のしるし 劇場版』四コマ映画 → 4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_...


    ↑一コマ目の「なぐさめてあげる♥️」 は『電影少女』からの引用です。
    〝あい〟のビデオのタイトルです。

    ***


    『本気のしるし』は、青年誌での恋愛漫画であり同時に「青年誌での恋愛漫画」を批評的に描いた漫画である、とのこと。

    読者層である男性を喜ばせる(困らせたり惑わせたりじらしたりするのも含む)ために生産された女性キャラが、現実世界に存在したらそれって結構悲しい存在じゃない?
    というのが『本気のしるし 劇場版』。

    (これも『本気のしるし 劇場版』の一側面に過ぎないのですが)


    **

    たしかに僕が子供の頃読んでた漫画にもそういうキャラが出てきてたなぁと
    『電影少女』の〝あい〟、
    『ろくでなしBLUES』の千秋などを思い出しました。

    千秋なんかはトロフィー(マクガフィン)として話の盛り上がりのために何回も拉致されて、あまりにも拉致されるから次第に読者からも「アイツすぐ拉致されんじゃん!」と嫌われていってしまう…という悲しき存在。。


    『電影少女』の〝あい〟にいたっては「感情を持ってしまった」女性キャラ。。
    感情を持ってしまった、ってすごいですよね。。


    **


    この映画は、
    ほとんど球体?ってくらいの多面性を持っているので、
    何か一つ語るといやそうじゃない、それだけじゃないってグルグルと逡巡してしまう。

    観ている最中も
    登場人物たちの行動に対してある感想を抱くと
    「その感想ってどうなの?」と他の登場人物が揺るがしてくる。

    心をどこかに落ち着かせたい、こいつが悪いんだ!と結論づけて楽になりたいのに
    一人として同じキャラのいないこの映画の中では
    「あぁ!おれってなんて浅はかな人間なんだ!」と価値観が何度も揺るがされる。


    そんな中で、一番自分と合致したセリフは、
    事もあろうに反社会勢力の脇田が言う
    「おれはバカな男とバカな女が地獄に落ちるのを見たいだけだよ」。。

    脇田という役は観客代表だなぁと思って観ていたら
    このセリフ言われちゃって、あ、同じこと思ってたわ、、って
    僕も反社と同じなのか…と。。


    **


    3時間52分あるんですが
    もともと10話の30分テレビドラマなので
    コンスタントに盛り上がりや〝ひき〟が来ますから
    ほんとに飽きることはないですよ。

    『サタンタンゴ』みたいに10分待つシーンでは10分待ってる様子を見せられたりはしませんので、ご安心を。
    ドラマを全話一気見する贅沢さ、興奮がありますよ。



    **


    簡単にまとめることのできないテーマを描いてそのままの状態で提示される。

    あいつが悪でした、チャンチャン♪とはいかない。

    ものすごく微妙なところを突いてくる。
    観てる側の価値観を何度も揺るがし続けてくる。
    こっちはただ映画観てるだけなのに。。
    深田晃司はスタンド使いなのか?
    遠隔操作型か?



    **

    この映画、どうかしてる人はいっぱいいますし、全員ヤバいんですけど、、責任を押し付けられるような一人というのはいない。

    悪者がいない、というのは『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』がそうでしたね。

    オリヴィア・ワイルド監督曰く
    映画の中にかならず悪者を登場させると現実世界にもかならず悪者がいると思ってしまう。
    とのこと。

    現実世界で自分がうまくいかないのは誰か悪者がいるからに違いない。
    悪者は誰だ、と悪者探しを始めてしまう。

    悪者がいると楽。
    対立構造は単純で頭使わなくて良い。

    大人になってくると
    明らかな悪者なんてそうそういないということがわかっています。
    相手が抱える事情やタイミングを慮れるようになる。


    「アイツは悪者だ、アッチは敵だ」と仮想敵を作っていくのは
    すごく単純でもしかしたらその都度快感なのかもしれないけど、
    大人であればわかるけど
    それの行き着く先はポジティブなものではない。


    そう考えるとさすが深田晃司!
    最先端ですよ。
    こんなにもぬるぬるのぐちゅぐちゅした内容なのに、映画の外形は鋭い!!

  • iライセンス

    設定しない

published : 2020/11/03

閉じる
k
k