フクイヒロシ

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イラストレーション > アニメ・漫画

四コマ映画『ワイルドローズ』

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四コマ映画『ワイルドローズ』

by フクイヒロシ

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    四コマ映画『ワイルドローズ』→ 4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_...



    考察の映画ですね。

    脚本家のニコール・テイラーは
    スター発掘番組で観た素晴らしい歌声を持った女性に心を奪われた、と。
    しかし彼女には道を踏み外した過去もあり、子供も5人いた。
    「子供たちと別の道を歩んでも、神が与えてくれた才能を開花させるべきなのか。その答えがわからなかったので、この映画で追及しました」とのこと。

    プロデューサーのフェイ・ワードも
    「本作は、夢と現実との対立、周りの誰も観たことがない何かを追い求めること、誰の賛成も得られずに保守的になるとき、その夢がどうなるかについての物語です」と。


    ****

    「シングルマザーで子供を抱えながらも夢を諦めない女性」を応援しやすい人物として描けば、この話を物語ることはとても簡単。
    いくらでも笑って泣ける感動作にできる。

    しかしこの『ワイルド・ローズ』の旅は険しい道のりを選択しました。。

    ***


    主役の女性ローズはなかなかにヤンチャ。。
    子供二人いるのにだいぶいろんなことに無責任。

    祖母(ローズの母)がしっかりした人だから育児放棄事件になっていないけど
    子供の食事を忘れて彼氏と酒飲んじゃったエピソードなどもある。。

    映画の主人公の行動としてはかなり危ない賭けですよ。
    「子供が一番でしょ!シングマザーが夢追ってもいいけど、子供を100パー面倒見てからの話でしょ!」と多くの人がローズに嫌悪感を抱くでしょう。

    ***

    ここがこの映画の肝。
    凡百の「笑って泣ける感動作」との違い。
    数多ある「スター誕生映画」との違い。

    ***


    主演のジェシー・バックリーの演技が素晴らしい。
    ほんとに繊細な表情でローズを実在感たっぷりに演じています。

    言動はほんとイラッとするはずのものなんだけど、ちゃんとこの人を一人の人間として演じてくれてるから、見放すことができない。

    それはローズの母の視点。
    ローズ(娘)を見放すことができない人。

    ローズの母役のジュリー・ウォルターズがまた輪をかけて素晴らしい。
    この役の複雑さを「私、名女優でございます」的なうるささが全くない演技で、ビッチリバッチリ伝えてくれる。

    だからこそ、ラストの歌が感動できるわけですよ。
    このお母さんの愛情がこの映画の土台となっているから。

    この二人の演技が素晴らしい。
    からこそこの映画が成立しましたね。


    ***

    あと、もちろんジェシー・バックリーの歌。説得力がすごい。


    ネタバレはコメント欄に









    ****


    ローズは12カ月刑務所にいた。
    今日、退所。
    足にGPSを付けられる。

    すぐに彼氏のもとへ。
    彼の母から睨まれる。
    公園行ってアオカン。

    それからやっと実家へ。
    娘と息子をローズの母が面倒見てくれていた。
    祖母の方に懐いちゃってる娘と息子。

    息子「ここにいたい!」

    ローズ「(アメリカの)ナッシュビルへ行くわ。歌の仕事で養う」
    母「その夢のせいで家族が犠牲に!」

    ****

    舞台はスコットランド。
    母(実家)はスターリングにある。
    グラスゴーは電車で50分くらいのとこ。
    グラスゴーの団地でローズと娘と息子は生活を始めることになる。

    ****


    グラスゴーの飲食できるライブハウス。
    グランド・オール・オープリー・グラスゴー、という店名。

    ローズは店長の女性に冷たくされる。
    その店の人気歌手ミシシッピ・ツンドラも「犯罪者なんて客は誰も見たくない」と。

    ローズ「この店10年も働いてたのに!」

    この店で仕事をしようと思っていたが当てが外れた。

    ****


    スザンナを訪ねる。

    豪邸。ここでハウスキーパーの仕事をする。

    スザンナがいない間に特大ベッドで寝てみたり、酒を飲んでみたり。
    掃除機かけながらヘッドホンで熱唱。カントリーソング。

    スザンナの双子の兄妹が帰宅。スザンナの歌、すげえなみたいなリアクション。

    ****

    ローズの娘と息子はローズの母に懐いてる。
    実家から3人で引っ越し。
    グラスゴーの団地。
    息子「こんなとこやだ!」

    ****

    スザンナ「なぜカントリーを?」
    ローズ「3つのコードの真実だ。これで心をさらけ出すんだ」

    スザンナの家の家事が終わって、彼氏とパブで酒を飲む。

    足につけられたGPSは
    夜7時から朝7時まで家にいないと通報される。
    たぶん刑務所に戻される?

    うっかり6時34分。

    猛ダッシュで家に帰る。

    家では空腹の子供たち。

    母「子供の食事を忘れるなんて。」

    母、子供たちを外食に連れていく。

    ****

    スザンナの家。カントリーが流れてる。
    スザンナ「金曜からずっとカントリーを聴いてるわ」
    ローズ「14歳からずっとオープリーで歌ってる」
    スザンナ「オーディション番組は?」
    ローズ「あれは視聴者のためのものだ」

    スザンナの勧めで、
    カントリー界で力を持っているロンドンのラジオDJボブ・ハリス宛にメッセージを送る。

    ローズの歌をパソコンのカメラで撮影。スザンナと双子がその様子を見守る。


    その綺麗な顔を守りたい
    できるだけずっと
    この家に平和を
    穏やかな時間を


    スザンナと双子、拍手。

    スザンナの夫登場。イケメンで子供思い。


    ***


    ローズの家。
    子供との会話がうまくいかない。
    心を開いてくれない。

    夜中。
    子供の宿題か日記的なものを読んで子供のことを知る。

    翌日、家をめちゃくちゃ綺麗に片付ける。
    子供の学校の予定などもちゃんとカレンダーに書く。

    ***

    スザンナ「ロンドンに来るならボブ・ハリスが会いたいそうよ」

    ***

    母の友人「ボブ・ハリス?あのささやき声のボブ?」
    ローズ「その間、子守を頼みたいの」
    母「GPSは外せるの?」

    ***

    ローズの担当の弁護士の事務所
    弁護士「囚人にヘロインの包みを渡そうとして柵の外からヘロインを投げ入れた。」
    ローズ「中身は知らなかったの。酔ってたし。弁護士も〝君は悪くない〟と。」


    裁判所
    弁護士「GPSを付けていては本来の仕事ができない。彼女の仕事はカントリー&ウェスタンだ」
    ローズ「カントリーよ」

    GPSを外す許可が下りる。

    ***

    GPSが外せたことが嬉しくて
    弁護士と一緒にグランド・オール・オープリー・グラスゴーに訪れるローズ。

    ステージで歌っているツンドラを引き摺り下ろし、ローズが歌う。
    客はノリノリ。
    ツンドラは激怒。
    弁護士も踊る。
    店は大盛り上がり。

    ***

    スザンナが一等車の切符代とお金をくれた。
    乗車。

    酒を飲んでバッグを紛失。
    ロンドン駅に着く。

    金がないのでBBCまで走っていく。


    ***

    ボブ・ハリスと対面。

    ボブ・ハリス「君の伝えたいメッセージは?君は君の曲を作りなさい」

    ***


    家。子守をしてくれていた母。

    ローズ「ボブ・ハリスが自分の曲を作れって…漂白剤と掃除の歌でも作れって?」
    母「すぐ投げ出す。この家を見て。あなたはなんでもできる。ライル(息子)はあなたの挽肉料理が好きだって」

    ***

    ローズの娘の会話。
    ギュッとハグ。娘も抱きしめ返す。

    ***

    息子「ママはアウトローだって自分で言ってた」
    ローズ「アウトローじゃない。馬鹿だったの」

    ***


    スザンナ「私の50歳のパーティーが週末にあるの。そこで将来有望なカントリー歌手に歌ってもらうわ。お客にはクラウドファウンディングしてもらうの。歌を気に入ってもらったら。ナッシュビルに行くお金がもらえるわよ、次の日曜日に!」

    ローズ「週末は子供とビーチに行く約束を…」

    スザンナ「バンドと練習を重ねて完璧なステージにしないと」


    ***

    ローズ「週末は練習しなきゃいけない」
    母「変わってくれたと思ったのに!」

    ローズを応援するスザンナの家族は幸せそう。
    ローズの家族は不幸に。

    ***


    母の友人に子供を預けるローズ。
    翌日はまた別の友達に。
    息子「ママなんて大嫌いだ!」


    ***

    スザンナも昔は貧しかった。
    スザンナ「あなたは今が一番よ。子供ができるとそうはいかない」

    子供がいることをスザンナに話していない。
    話したら子供を優先すべきと言われるかも。

    スザンナの夫が車でローズを送ってくれることに。

    河川敷で車を停止。
    ローズ「私とやろうっての?」
    夫「君の過去を調べた。刑務所にいたことも。明日は好きに歌っていい。稼いだら消えろ。うちの子供と関わるな」

    ローズは車を降り、歩いて帰る。

    ***

    ローズ、子供たちを迎えに行って家に戻す。
    そこにローズの彼氏が空気を読まず登場。

    子供たちだけ家の中に。

    息子がタンスの下敷きになって怪我。
    病院へ。

    医者「彼には何かアレルギーは?」
    ローズ「ないわ」
    娘「絆創膏アレルギーが」

    ***

    翌朝。病室。パーティーの当日。

    息子はギプスをつけることに。
    ギプスを付けるのを待っていたらパーティに間に合わない。

    ローズ「私を助けて。20年もパン屋で働くのは私にはできない」
    母「裕福な人に事情がバレたら無駄よ。子供がいるって言ってないでしょ。ナッシュビルに行けばいい。好きにしなさい!」

    母がまた子守をすることに。

    ***

    ローズ、泣きながらトイレでメイク。

    スザンナの家。ちょっとしたフェスくらいの規模のパーティー。
    夫がローズを睨む。

    スザンナ「少し前に光が差し込んできました。この街と同様にこの女性は素敵です」

    前奏が始まり、客は拍手するがローズは歌えない。

    ローズはステージを下りる。

    スザンナ「ローズ待って!」
    ローズ「私はあなたが思っているような人間じゃない。刑務所に入っていた。子供も二人いる。ワイノナは9歳で、ライルは5歳。それが真実。今までの私は偽物。」
    ローズ、去る。

    スザンナ、泣く。
    夫がスザンナを慰める。
    スザンナ「ひとりにして」

    ***

    家。
    母が戸惑いつつもローズを温かく迎えてくれる。

    ***

    別の日。
    ローズと子供たちはビーチで遊ぶ。幸せな時間。

    ***

    ローズ、母も働いているモールで働くことに。
    母はモーテルのパン屋で働いてる。

    ***

    ローズの誕生日パーティー。
    母と子供たちが祝ってくれる。
    ケーキのろうそくの火を消す。
    息子「願い事は?」
    ローズ「代わりにして」

    それを聞いた母が微妙な表情。

    ***

    母、実家のローズの部屋のベッドに座る。
    ローズの物がたくさん残っている。
    歌手を夢見ていた十代の頃の写真や初ライブのポスター。

    ***

    翌日。
    母、ローズにお金を渡す。

    母「希望を奪うつもりはなかった。人生にはもっと大切な物があるのか私は知らない。行ったことがないから。あなたが確かめてきて」

    ローズ「終わったんだ」

    母「15で働く必要がなければ大学へ行った。薬剤師になりたかったのに。なぜか大学に行かなかった。あなたを生んだ後でも行けた。でもしなかった。子供に夢を託す方が楽だった。自分の夢を追うより。ガッツがなかったの。あなたは違う。子守は私がする。未来を見てきて。」

    ローズ「どうやってお金を?」

    母「パン屋で20年よ。甘く見ないで」

    微笑む二人。

    ***

    ナッシュビルへ。
    タクシー。

    タクシーの後部座席には運転手が出したであろうCDアルバムが大量に置かれている。
    このタクシー運転手も歌手を見てナッシュビルに来て、今はタクシー運転手。

    モーテルの受付。
    受付の女性「何泊?」
    ローズ「わからない。何が起こるかわからないから」
    受付の女性「悲しみが歌になり、ヒットしますように。」

    ***

    ナッシュビルの夜の街。
    音楽に溢れキラキラしている。嬉しいローズ。

    ふと入ったライブ付きレストラン。
    ローズがウェイトレスに言う「私も歌わせてもらえない?」
    ウェイトレス「世界中からあなたと同じ目的で集まる」

    層の厚さを体感するローズ。


    ***

    翌日。
    グランド・オール・オープリー・の観光ツアーに参加。
    他の観光客と一緒に頭から観光カードをぶら下げて案内役に連れられて歩く。

    ステージをチラッと覗く。
    サッと離れて、ステージに上がる。

    客席には誰もいない。
    マイクだけ。
    ローズ、歌い始める。

    リハをするつもりだったっぽいミュージシャンが後ろに二人くらいいる。
    バイオリニストが伴奏してくれる。


    雨の中私は生まれた
    だけど目指す場所がなかった


    歌い終わっても誰も拍手しない。
    何も起こらない。

    ***

    警備員「ツアーでガイドを撒いてステージで歌うなんて初めてだ。レーベルの関係者と飲むんだ。君が会いたければ紹介する」

    ローズ「ありがとう。でも街を出るから」
    笑顔で去る。

    ***

    翌朝。モーテルの受付。
    受付の女性「諦めたの?」
    ローズ「いや、ここから始動だ」

    ***

    家。
    娘と息子「ママ!」と駆け寄る。
    ローズの表情で全てを読み取る母。

    ***

    一年後。

    グランド・オール・オープリー・グラスゴー。
    ローズのライブ。
    客席は満席。
    母と子供たちもいる。

    ローズ「私はナッシュビルの人間じゃない。グラスゴー出身だ。この曲は私が作った。」


    玄関前の石畳をすり減らしたのは私
    行ったり来たり 行ったり来たりして
    いつも明かりをつけておいてくれた

    ずっとありがとうを言うべきだったの
    あなたを突き放して
    地図にピンを突き刺して
    私は嵐の中に消えた

    自分の道を進むしか
    過ちを犯すしかなかった
    旅立つしかなかった
    わかってたよね

    黄色いレンガの道はグラスゴーにはないけど
    石よりも強いものを見つけた
    どこよりも故郷が一番
    どこよりもここが一番



    窓の外に垂れ下がる月
    ベッドの下には夢が詰まった靴箱
    明るい光を辿って黄金の街へ

    旅立って初めてここがいいと気づいた
    私たちはお互いをわかってる
    パッツィー・クラインと時間が修復してくれる

    自分の道を進むしか
    過ちを犯すしかなかった
    旅立つしかなかった
    わかってたよね

    かかとを鳴らすよ
    あと3回
    それでいい
    そこが私の世界

    黄色いレンガの道はグラスゴーにはないけど
    石よりも強いものを見つけた
    どこよりも故郷が一番
    どこよりもここが一番




    母は涙を堪えながら聴いている。
    スザンナと双子も客席にいる。スザンナは泣いている。
    歌い終わって、大拍手。

    終わり。


    パッツィー・クラインは1960年代に活躍した伝説のカントリー女性歌手。

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    考察の映画ですね。

    脚本家のニコール・テイラーは
    スター発掘番組で観た素晴らしい歌声を持った女性に心を奪われた、と。
    しかし彼女には道を踏み外した過去もあり、子供も5人いた。
    「子供たちと別の道を歩んでも、神が与えてくれた才能を開花させるべきなのか。その答えがわからなかったので、この映画で追及しました」とのこと。

    プロデューサーのフェイ・ワードも
    「本作は、夢と現実との対立、周りの誰も観たことがない何かを追い求めること、誰の賛成も得られずに保守的になるとき、その夢がどうなるかについての物語です」と。


    ****

    「シングルマザーで子供を抱えながらも夢を諦めない女性」を応援しやすい人物として描けば、この話を物語ることはとても簡単。
    いくらでも笑って泣ける感動作にできる。

    しかしこの『ワイルド・ローズ』の旅は険しい道のりを選択しました。。

    ***


    主役の女性ローズはなかなかにヤンチャ。。
    子供二人いるのにだいぶいろんなことに無責任。

    祖母(ローズの母)がしっかりした人だから育児放棄事件になっていないけど
    子供の食事を忘れて彼氏と酒飲んじゃったエピソードなどもある。。

    映画の主人公の行動としてはかなり危ない賭けですよ。
    「子供が一番でしょ!シングマザーが夢追ってもいいけど、子供を100パー面倒見てからの話でしょ!」と多くの人がローズに嫌悪感を抱くでしょう。

    ***

    ここがこの映画の肝。
    凡百の「笑って泣ける感動作」との違い。
    数多ある「スター誕生映画」との違い。

    ***


    主演のジェシー・バックリーの演技が素晴らしい。
    ほんとに繊細な表情でローズを実在感たっぷりに演じています。

    言動はほんとイラッとするはずのものなんだけど、ちゃんとこの人を一人の人間として演じてくれてるから、見放すことができない。

    それはローズの母の視点。
    ローズ(娘)を見放すことができない人。

    ローズの母役のジュリー・ウォルターズがまた輪をかけて素晴らしい。
    この役の複雑さを「私、名女優でございます」的なうるささが全くない演技で、ビッチリバッチリ伝えてくれる。

    だからこそ、ラストの歌が感動できるわけですよ。
    このお母さんの愛情がこの映画の土台となっているから。

    この二人の演技が素晴らしい。
    からこそこの映画が成立しましたね。


    ***

    あと、もちろんジェシー・バックリーの歌。説得力がすごい。


    ネタバレはコメント欄に









    ****


    ローズは12カ月刑務所にいた。
    今日、退所。
    足にGPSを付けられる。

    すぐに彼氏のもとへ。
    彼の母から睨まれる。
    公園行ってアオカン。

    それからやっと実家へ。
    娘と息子をローズの母が面倒見てくれていた。
    祖母の方に懐いちゃってる娘と息子。

    息子「ここにいたい!」

    ローズ「(アメリカの)ナッシュビルへ行くわ。歌の仕事で養う」
    母「その夢のせいで家族が犠牲に!」

    ****

    舞台はスコットランド。
    母(実家)はスターリングにある。
    グラスゴーは電車で50分くらいのとこ。
    グラスゴーの団地でローズと娘と息子は生活を始めることになる。

    ****


    グラスゴーの飲食できるライブハウス。
    グランド・オール・オープリー・グラスゴー、という店名。

    ローズは店長の女性に冷たくされる。
    その店の人気歌手ミシシッピ・ツンドラも「犯罪者なんて客は誰も見たくない」と。

    ローズ「この店10年も働いてたのに!」

    この店で仕事をしようと思っていたが当てが外れた。

    ****


    スザンナを訪ねる。

    豪邸。ここでハウスキーパーの仕事をする。

    スザンナがいない間に特大ベッドで寝てみたり、酒を飲んでみたり。
    掃除機かけながらヘッドホンで熱唱。カントリーソング。

    スザンナの双子の兄妹が帰宅。スザンナの歌、すげえなみたいなリアクション。

    ****

    ローズの娘と息子はローズの母に懐いてる。
    実家から3人で引っ越し。
    グラスゴーの団地。
    息子「こんなとこやだ!」

    ****

    スザンナ「なぜカントリーを?」
    ローズ「3つのコードの真実だ。これで心をさらけ出すんだ」

    スザンナの家の家事が終わって、彼氏とパブで酒を飲む。

    足につけられたGPSは
    夜7時から朝7時まで家にいないと通報される。
    たぶん刑務所に戻される?

    うっかり6時34分。

    猛ダッシュで家に帰る。

    家では空腹の子供たち。

    母「子供の食事を忘れるなんて。」

    母、子供たちを外食に連れていく。

    ****

    スザンナの家。カントリーが流れてる。
    スザンナ「金曜からずっとカントリーを聴いてるわ」
    ローズ「14歳からずっとオープリーで歌ってる」
    スザンナ「オーディション番組は?」
    ローズ「あれは視聴者のためのものだ」

    スザンナの勧めで、
    カントリー界で力を持っているロンドンのラジオDJボブ・ハリス宛にメッセージを送る。

    ローズの歌をパソコンのカメラで撮影。スザンナと双子がその様子を見守る。


    その綺麗な顔を守りたい
    できるだけずっと
    この家に平和を
    穏やかな時間を


    スザンナと双子、拍手。

    スザンナの夫登場。イケメンで子供思い。


    ***


    ローズの家。
    子供との会話がうまくいかない。
    心を開いてくれない。

    夜中。
    子供の宿題か日記的なものを読んで子供のことを知る。

    翌日、家をめちゃくちゃ綺麗に片付ける。
    子供の学校の予定などもちゃんとカレンダーに書く。

    ***

    スザンナ「ロンドンに来るならボブ・ハリスが会いたいそうよ」

    ***

    母の友人「ボブ・ハリス?あのささやき声のボブ?」
    ローズ「その間、子守を頼みたいの」
    母「GPSは外せるの?」

    ***

    ローズの担当の弁護士の事務所
    弁護士「囚人にヘロインの包みを渡そうとして柵の外からヘロインを投げ入れた。」
    ローズ「中身は知らなかったの。酔ってたし。弁護士も〝君は悪くない〟と。」


    裁判所
    弁護士「GPSを付けていては本来の仕事ができない。彼女の仕事はカントリー&ウェスタンだ」
    ローズ「カントリーよ」

    GPSを外す許可が下りる。

    ***

    GPSが外せたことが嬉しくて
    弁護士と一緒にグランド・オール・オープリー・グラスゴーに訪れるローズ。

    ステージで歌っているツンドラを引き摺り下ろし、ローズが歌う。
    客はノリノリ。
    ツンドラは激怒。
    弁護士も踊る。
    店は大盛り上がり。

    ***

    スザンナが一等車の切符代とお金をくれた。
    乗車。

    酒を飲んでバッグを紛失。
    ロンドン駅に着く。

    金がないのでBBCまで走っていく。


    ***

    ボブ・ハリスと対面。

    ボブ・ハリス「君の伝えたいメッセージは?君は君の曲を作りなさい」

    ***


    家。子守をしてくれていた母。

    ローズ「ボブ・ハリスが自分の曲を作れって…漂白剤と掃除の歌でも作れって?」
    母「すぐ投げ出す。この家を見て。あなたはなんでもできる。ライル(息子)はあなたの挽肉料理が好きだって」

    ***

    ローズの娘の会話。
    ギュッとハグ。娘も抱きしめ返す。

    ***

    息子「ママはアウトローだって自分で言ってた」
    ローズ「アウトローじゃない。馬鹿だったの」

    ***


    スザンナ「私の50歳のパーティーが週末にあるの。そこで将来有望なカントリー歌手に歌ってもらうわ。お客にはクラウドファウンディングしてもらうの。歌を気に入ってもらったら。ナッシュビルに行くお金がもらえるわよ、次の日曜日に!」

    ローズ「週末は子供とビーチに行く約束を…」

    スザンナ「バンドと練習を重ねて完璧なステージにしないと」


    ***

    ローズ「週末は練習しなきゃいけない」
    母「変わってくれたと思ったのに!」

    ローズを応援するスザンナの家族は幸せそう。
    ローズの家族は不幸に。

    ***


    母の友人に子供を預けるローズ。
    翌日はまた別の友達に。
    息子「ママなんて大嫌いだ!」


    ***

    スザンナも昔は貧しかった。
    スザンナ「あなたは今が一番よ。子供ができるとそうはいかない」

    子供がいることをスザンナに話していない。
    話したら子供を優先すべきと言われるかも。

    スザンナの夫が車でローズを送ってくれることに。

    河川敷で車を停止。
    ローズ「私とやろうっての?」
    夫「君の過去を調べた。刑務所にいたことも。明日は好きに歌っていい。稼いだら消えろ。うちの子供と関わるな」

    ローズは車を降り、歩いて帰る。

    ***

    ローズ、子供たちを迎えに行って家に戻す。
    そこにローズの彼氏が空気を読まず登場。

    子供たちだけ家の中に。

    息子がタンスの下敷きになって怪我。
    病院へ。

    医者「彼には何かアレルギーは?」
    ローズ「ないわ」
    娘「絆創膏アレルギーが」

    ***

    翌朝。病室。パーティーの当日。

    息子はギプスをつけることに。
    ギプスを付けるのを待っていたらパーティに間に合わない。

    ローズ「私を助けて。20年もパン屋で働くのは私にはできない」
    母「裕福な人に事情がバレたら無駄よ。子供がいるって言ってないでしょ。ナッシュビルに行けばいい。好きにしなさい!」

    母がまた子守をすることに。

    ***

    ローズ、泣きながらトイレでメイク。

    スザンナの家。ちょっとしたフェスくらいの規模のパーティー。
    夫がローズを睨む。

    スザンナ「少し前に光が差し込んできました。この街と同様にこの女性は素敵です」

    前奏が始まり、客は拍手するがローズは歌えない。

    ローズはステージを下りる。

    スザンナ「ローズ待って!」
    ローズ「私はあなたが思っているような人間じゃない。刑務所に入っていた。子供も二人いる。ワイノナは9歳で、ライルは5歳。それが真実。今までの私は偽物。」
    ローズ、去る。

    スザンナ、泣く。
    夫がスザンナを慰める。
    スザンナ「ひとりにして」

    ***

    家。
    母が戸惑いつつもローズを温かく迎えてくれる。

    ***

    別の日。
    ローズと子供たちはビーチで遊ぶ。幸せな時間。

    ***

    ローズ、母も働いているモールで働くことに。
    母はモーテルのパン屋で働いてる。

    ***

    ローズの誕生日パーティー。
    母と子供たちが祝ってくれる。
    ケーキのろうそくの火を消す。
    息子「願い事は?」
    ローズ「代わりにして」

    それを聞いた母が微妙な表情。

    ***

    母、実家のローズの部屋のベッドに座る。
    ローズの物がたくさん残っている。
    歌手を夢見ていた十代の頃の写真や初ライブのポスター。

    ***

    翌日。
    母、ローズにお金を渡す。

    母「希望を奪うつもりはなかった。人生にはもっと大切な物があるのか私は知らない。行ったことがないから。あなたが確かめてきて」

    ローズ「終わったんだ」

    母「15で働く必要がなければ大学へ行った。薬剤師になりたかったのに。なぜか大学に行かなかった。あなたを生んだ後でも行けた。でもしなかった。子供に夢を託す方が楽だった。自分の夢を追うより。ガッツがなかったの。あなたは違う。子守は私がする。未来を見てきて。」

    ローズ「どうやってお金を?」

    母「パン屋で20年よ。甘く見ないで」

    微笑む二人。

    ***

    ナッシュビルへ。
    タクシー。

    タクシーの後部座席には運転手が出したであろうCDアルバムが大量に置かれている。
    このタクシー運転手も歌手を見てナッシュビルに来て、今はタクシー運転手。

    モーテルの受付。
    受付の女性「何泊?」
    ローズ「わからない。何が起こるかわからないから」
    受付の女性「悲しみが歌になり、ヒットしますように。」

    ***

    ナッシュビルの夜の街。
    音楽に溢れキラキラしている。嬉しいローズ。

    ふと入ったライブ付きレストラン。
    ローズがウェイトレスに言う「私も歌わせてもらえない?」
    ウェイトレス「世界中からあなたと同じ目的で集まる」

    層の厚さを体感するローズ。


    ***

    翌日。
    グランド・オール・オープリー・の観光ツアーに参加。
    他の観光客と一緒に頭から観光カードをぶら下げて案内役に連れられて歩く。

    ステージをチラッと覗く。
    サッと離れて、ステージに上がる。

    客席には誰もいない。
    マイクだけ。
    ローズ、歌い始める。

    リハをするつもりだったっぽいミュージシャンが後ろに二人くらいいる。
    バイオリニストが伴奏してくれる。


    雨の中私は生まれた
    だけど目指す場所がなかった


    歌い終わっても誰も拍手しない。
    何も起こらない。

    ***

    警備員「ツアーでガイドを撒いてステージで歌うなんて初めてだ。レーベルの関係者と飲むんだ。君が会いたければ紹介する」

    ローズ「ありがとう。でも街を出るから」
    笑顔で去る。

    ***

    翌朝。モーテルの受付。
    受付の女性「諦めたの?」
    ローズ「いや、ここから始動だ」

    ***

    家。
    娘と息子「ママ!」と駆け寄る。
    ローズの表情で全てを読み取る母。

    ***

    一年後。

    グランド・オール・オープリー・グラスゴー。
    ローズのライブ。
    客席は満席。
    母と子供たちもいる。

    ローズ「私はナッシュビルの人間じゃない。グラスゴー出身だ。この曲は私が作った。」


    玄関前の石畳をすり減らしたのは私
    行ったり来たり 行ったり来たりして
    いつも明かりをつけておいてくれた

    ずっとありがとうを言うべきだったの
    あなたを突き放して
    地図にピンを突き刺して
    私は嵐の中に消えた

    自分の道を進むしか
    過ちを犯すしかなかった
    旅立つしかなかった
    わかってたよね

    黄色いレンガの道はグラスゴーにはないけど
    石よりも強いものを見つけた
    どこよりも故郷が一番
    どこよりもここが一番



    窓の外に垂れ下がる月
    ベッドの下には夢が詰まった靴箱
    明るい光を辿って黄金の街へ

    旅立って初めてここがいいと気づいた
    私たちはお互いをわかってる
    パッツィー・クラインと時間が修復してくれる

    自分の道を進むしか
    過ちを犯すしかなかった
    旅立つしかなかった
    わかってたよね

    かかとを鳴らすよ
    あと3回
    それでいい
    そこが私の世界

    黄色いレンガの道はグラスゴーにはないけど
    石よりも強いものを見つけた
    どこよりも故郷が一番
    どこよりもここが一番




    母は涙を堪えながら聴いている。
    スザンナと双子も客席にいる。スザンナは泣いている。
    歌い終わって、大拍手。

    終わり。


    パッツィー・クラインは1960年代に活躍した伝説のカントリー女性歌手。

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published : 2020/07/13

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