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CREATOR'S VOICE Vol.011 - 遠藤晴香

Profile

遠藤晴香

福島県いわき市在住のイラストレーター。1978年生まれ。アクリル絵の具による動物のイラストなどの作品を自身のWebサイトで発表している。なお、作品は同サイトの問合せページを通じて購入することが出来る。

Interview

-現在の遠藤さんの活動内容を教えてください。

私のホームページで作品を発表しているほかに、展示会への出展を中心に活動しています。私は福島県いわき市に住んでいるのですが、東日本大震災以降は、4月にデザイン・フェスタ・ギャラリー原宿で開かれた『HEART for Japan』、6月に原宿クエストで開かれた『NEXT STEP』など被災地の復興などを目的とした、4つのチャリティ展などに参加しています。
展示会には、地元のクリエイター仲間を通して、東京の企画会社から誘われました。震災直後の重苦しい雰囲気の中、とにかくジッとしていたくない気分だったこともあり、参加することにしたのです。

-展示会に参加して、どのようなことを感じましたか。

いろいろな所で、たくさんの人たちが「被災地のために何かしよう」と動いてくださっていることを実感しました。人の温かさ、立ち上がる強さを感じています。主催者の方や出展者の人たちには、本当に感謝しています。

-震災後、日常生活やクリエイションにおいて、何か変化した部分があれば教えてください。

日常生活においては、4月中頃までコンビニやスーパーに商品がほとんど並ばない状態が続いていました。いわき市は、放射能漏れなどの問題が続いている福島第一原子力発電所に近いため、運送会社が入ってこなかったのです。水道工事の関係者も県外へ避難してしまったことから、水道の復旧も遅れていましたし、大きな余震も当たり前という状況でした。
商品の流通が回復してきた4月下旬頃、お気に入りのショッピングセンターへ行きました。目の前に広がっていたのは、震災などなかったかのような賑わいです。特にすごかったのは婦人服売り場。どの服を買おうかと商品に手を伸ばす女子高生たちの姿に、復興の兆しとなるようなものを感じました。
その光景を見てからは、これまであまり描くことのなかった「女性」を描くようになりました。彼女たちから発せられていたエネルギーや明るさ、強さを描きたいと思ったんです。

-被災した中で、震災前のようにクリエイションを行なっていくのは、相当な困難だったと思います。いつ頃から、創作活動は再開できたのでしょうか。

5月下旬頃です。ただ、精神的に参ってしまったわけではありません。自宅は一部が壊れてしまいましたが、私も家族も無事に生きています。不安に過ごすのも、怒って過ごすのも、普通に過ごすのも、同じ1日です。今、私がここで出来ることをやっていくことが大切だと思っています。

-現在、アクリル画を中心とする作品を発表していますが、イラストレーターの道に進んだきっかけは、なんだったのでしょうか。

絵は幼稚園の頃からずっと描いていました。ただ、高校卒業後の進路選択の際には、絵を仕事にしようとは思っていなかったので、専門学校や美大には通っていないんです。
初めて展示会に参加したのは、4年前。知人が参加していたことがきっかけで出展したのですが、プロのイラストレーターを始め、いろいろな人から激励の声をいただけたことが、本格的にイラストレーターとしての活動を始める原動力となりました。

-作品のコンセプトを教えてください。

見た人が、「音」や「香り」を感じられるような作品をつくれるように心がけています。私は本当に良い音楽を聴いた時に、歌詞や曲から「色」「情景」「空気」などを感じることがあるのですが、自分の描く絵でもそういった部分が伝わるようなものをつくっていきたいです。

最後に、今後の展望を教えてください。

一人のクリエイターとして、いい作品を世に残していきたい。自分の絵を通じて、さまざまなことに挑戦していければ何よりです。

(ライター 石川裕二)

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