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CREATORS'S VOICE Vol.1 - イラストレーター・Webデザイナー:村住彩野 powered by wacom

絵を描いたり、何かを作ったりするのが楽しくて仕方ないという村住さん。2008年には、イラストを手がけた「ながぐっちゃん」のアニメが、NHKの「おかあさんといっしょ」で大ヒット。そんな村住さんにクリエイティブ心を聞いた。

使用タブレット
Intuos3
使用歴
2006年〜
きっかけ
はじめはFAVOをノリで購入。当初は違和感があったが、ペンタブレットの特性を理解したら手放せなくなり、Intuos3も導入。
ポートフォリオ
http://www.creatorsbank.com/users/jasming/

村住彩野

1980年夏、良く晴れた日曜日、東京で生まれる。3才の時、両親と北海道へ移住。自然の中で自由に育つ。高校3年生の時、初めて絵の依頼が来る。そこからフリーランスとしての生活が始まる。落ち込んだら岡本太郎を読んで、恋をしたら金子光晴に毒を習う。ラーメンズと機動戦士ガンダムを盲愛中。毎日初恋。

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楽しんでくれる人のために作りたい

両親がアートやデザインが好きで、家の中に石膏像があるような環境で育った村住さん。学校の図工や美術の授業が大好きで、人の分まで作ってしまうほど。毎日が美術室で育ったような感覚だった。ものづくりをして生きていきたいと決めたのは、早熟にも10歳の時。「作った喜びとか、作ったものを嬉しそうに見てくれる祖父母の顔を見て、こんな楽しいことはない」と、他のことには目もくれなかった。今でも「誰かが楽しんでくれる」「頼まれるとその人のために頑張りたい」という気持ちが、村住さんのクリエイティブの原点にある。

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高校生で職業イラストレーターに

一方、村住さんの発想がおもしろいのは、特に職業を決めずに「何でもいいからものを作る人になりたい」と思ったこと。そして、高校2年生の頃から、ふとしたことから看板などを制作するお父さんの会社を少しずつ手伝うようになり、デザインのセオリーやCGを学んだ。3年生にもなるとあらかたデジタルでの制作手法もマスターし、その噂を聞きつけたクライアントから、繰り返し仕事の依頼をもらうようになる。
そうして昼間は高校生、夜はイラストレーターの仕事をしながら、高校を卒業。現代アートの先生に1年間師事しアートの精神を学んだりもした。その後、学生に憧れて上京し、デザイン系の学校に入るが、仕事が忙しくてすぐに学校には行かなくなり独立し今に至る。結局、正式にデザインを学んだこともなく、また PCやアプリケーションの操作も独学だというから、幼い頃からの「図工・美術好き」が大人になって結実したとでも言えようか。

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自分自身も楽しくて仕方ない

村住さん曰く、「イラストを描くことなど、何かを作るということは、子どもが理由もなく甘いチョコレートが好きという感覚とまったく同じなんです。だから、たくさん努力もしましたが、好きなことだったのですべてが意味ある楽しいことでした。現在、仕事としてイラストを描いていますが、辛いことなどひとつもないんです」。
絵を描いたり、ものを作ったりするのが好きという村住さん。どんな風に描くのか、取材現場で再現してもらったら、「描き出すと自分では止められないんです。そこまでって言ってください」と、イラストの神様が乗り移ったかのように、いつまでも手を入れ続けていた。「好き」というだけではなく、描く、作るということが村住さんの生きる証のようにも思える。

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ペンタブレットの伝達リズムを見つけ出す

ところで村住さんのペンタブレット歴は2年ほど。量販店で見かけたFAVOが白くかわいかったのでノリで買ってみたというのがきっかけだ。しかし、「はじめのうちは脳と手が時差ボケしているような違和感があって好きではありませんでした」という。「3ヶ月くらい無理して使っても慣れなくて。それで、その違和感はどこから来るのだろうと分析したら、伝達リズムとか質感の違いだと気づいたんです。画材にはそれぞれに独特の伝達リズムがあるんですが、アナログの画材に比べるとペンタブレットはリズムが違うんです。それなのに鉛筆のようなつもりで使うから違和感があるのだと。それで発想を変えて、これはペンタブレットという新しい画材だと捉え直しました。するとすーっと受け入れることができたんです」。敢えて例えれば「クーピーペンシルに似ている」のだとか。
この村住さんの意見はおもしろい。おそらくペンタブレットは、デジタルをアナログの感覚に置き換えたり延長したりする機器として開発されてきたはずなのだが、村住さんにとってペンタブレットは1つの画材として独自なものだということだ。ペンタブレットの操作感や使い心地に慣れない人もいるが、村住さんのように鉛筆など何かの代わりではなく、ペンタブレットそのものとして捉えるとスムーズに使えるようになるかもしれない。
ペンタブレットに不慣れな人へのアドバイスを尋ねると「PCもそうですけど、ペンタブレットも玩具だと思ってとことん楽しむというか、遊ぶつもりで使ってみると身体に馴染んでくると思います。そしてペンタブレットと手、頭が繋がると本当の楽しさが見えてきます」とのこと。

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今、Intuos3は立派な画材になった

一度、操作の感覚を覚えてしまうと、熱中する性格の村住さんは、ペンの設定を研究するのが楽しくなってしまった。細かく微調整をしてはカスタムしたブラシをどんどん登録していく。イラストはPhotoshopで描くのが大半だが、カスタムしすぎて他人では使えないほどだそうだ。そうしてFAVOを使い倒してペンタブレットが十分好きになった頃にIntuos3を導入した。
Intuos3に替えてみると、「ペンを握った指に伝わってくる質感、感触が気持ちいいんです。そして実際に描いてみると、紙に描いたものと似ているんです。ペンの太さも握りやすくて好き」と絶賛。
今や村住さんにとってIntuos3は立派な画材の1つ。「手描きではヌルヌルしたり、柔らかすぎる印象が強い作品に対して、わざとIntuos3で手を入れることでシャープさを出したり、デジタルの硬さをプラスしたりします。そうすると絵にまとまりが出てくるんですね。ペンタブレットはデジタルとアナログの表現の垣根をなくしてくれました。そしてIntuos3は思うがままに自由に制作できる、そんな開放感を与えてくれました」。

村住さんの他の作品はオフィシャルサイトでたくさん見ることができる。デジタルでのイラストの他「紙のない絵本」シリーズや、水彩で描いたものも。ケータイの待ち受け画面ももらえる。

村住彩野::Illustrator・WEB designer
ホームページ:http://jasming.com/

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