Tome館長

m
r

Tome館長

CREATOR

  • 3

    Fav 1,204
  • 9

    View 6,043,391
  • p

    Works 3,356

WORKS

サウンド・音楽 > ミュージック

帰れない帰り道

9

View
86

3

Fav
0

1

Comment
0

いつもの駅と違っていた。

どうやらひとつ手前の駅のようだ。
失敗した。あれが最終電車だったのに・・・・

タクシー乗り場には長い列ができていた。

仕方ない。
家まで距離はあるが、歩いて帰ろう。

知らない道だが、だいたいの方角は見当がつく。

まあ大丈夫だろう。

暗い舗装道路に靴音が響く。
その音に違和感を感じて振り返る。

やはり気のせいだ。
誰もいない。

だんだん道が狭くなってきた。

やがて霊園の入り口に出てしまった。

こんなところに霊園があるとは知らなかった。

縁起でもない。
酔いが醒めてしまった。

道を間違えたのだ。
途中まで引き返そう。

振り返り、来た道を逆に戻る。

おかしい。
ますます道が狭くなるような気がする。

同じ道を引き返すのだから、そんなはずはない。
まだ酔いが残ってるのかもしれない。

だが、確実に道は細くなってゆく。

とうとう前に進めなくなってしまった。

やれやれ、情けない。
戻る道も間違えたのだ。

引き返すしかない。

立ち止まり、振り返って歩き始める。

しかし、変な道だな。
こんな細い道、誰が通るというのだろう。

やがて、再び霊園の入り口に出てしまう。

一本道なのに、どうなっているのだ。

しかし、この道を戻るしかなさそうだ。

疲れてきた。
うな垂れたまま振り返る。

おかしい。
さらに道が狭くなっている。

狭くて、もう一歩も前に進めない。

なんなのだ。
戻ることもできない。

わけがわからない。
呆然と振り返る。

やはり、そこに霊園の入り口がある。

Other Works

jシェア

帰れない帰り道

by Tome館長

  • iライセンス

    表示

1

Comment

  • FAVをして作品の感想・コメントを残しましょう

    3
    FAV

jこのページをシェア

帰れない帰り道

by Tome館長

  • iライセンス

    表示

published : 2010/01/08

閉じる
k
k