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起きねばならん

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起きねばならん

by Tome館長

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    さて、そろそろ起きなければ。
    もう起きる時間だから起きるのだ。

    だが、どうやって起きるか。
    それが問題だ。

    まずは毛布を払いのけるべきだろう。

    毛布を払いのけるには手を使えばいい。
    右手か左手か、あるいは両手でもいい。

    いや、足を使ってもできそうだ。

    もし手も足も出なかったらどうするか。

    どうしよう。わからない。
    考えるのだ。

    そうだ。頭だ。
    頭を使うのだ。

    しかし、丸い頭では毛布をめくれない。

    いや、頭をつぶせばなんとかなる。
    ヘラみたいに平らにつぶせばいいのだ。

    しかし、どうやってつぶすのだ。
    足で踏みつぶせるだろうか。

    いやいや。ちょっと待て。
    足が出ないから頭を使うのだった。

    そうだ。そうだった。
    そうだったっけ。

    違う。違う。
    なにを考えているのだ。

    こんなことしている場合じゃなかった。
    起きなければならなかったはずだ。

    毛布なんか無視だ。
    起きればいいのだ。

    起きれば毛布なんか床にずり落ちてしまう。
    それで一石二鳥だ。なんて賢い。

    起きながらあくびをすれば一石三鳥だ。
    素晴らしい。

    天才かもしれないぞ。

    さすがに一石四鳥というのは無理かな。
    無理かどうかやってみなくてはわかるまい。

    なにをやるか。なにをやっているのか。
    そうだ。なにをやっているのだ。

    いかん。いかん。
    こんなはずじゃなかった。

    すぐに起きねばいかんのだ。

    ええと、どうすれば起きられるんだっけ。
    いつものようにすればいいはずだが。

    確か、まず上体をなんとか起こすのだ。
    上体を起こすには腰を曲げればいい。

    そうだ。曲げるのだ。
    腰を曲げるのだ。

    やった。
    少しだけだが腰が曲がったぞ。

    それにしては起きてないではないか。

    なぜだ。
    寝ぼけているのだろうか。

    ああ、そうか。
    横向きで寝ていたのだ。

    横向きの姿勢で腰を曲げてもしかたない。
    どうりで簡単に腰を曲げられたわけだ。

    まぬけだな。
    笑ってしまうな。

    笑ってしまおうかな。
    いいのかな。

    誰にも遠慮することはないはずだが。
    どうせ寝言と思われるくらいで。

    わあ。なんだ。
    どうなっているのだ。

    笑ってる場合ではないぞ。

    なにしてるんだ。
    いいかげんにしろ。

    すぐに起きないとまた眠ってしまうぞ。

    ほら、起きるのだ。
    今すぐ起きるのだ。

    だめだ。体が重い。
    寝返りも打てない。

    なぜだ。わからない。
    頭がおかしい。

    眠い。眠いのだ。
    たまらなく眠いのだ。

    そうか。そうなのだ。
    眠いからだ。

    こんなに眠いから起きられないのだ。

    だが、どうしてこんなに眠いのだろう。

    寝不足だからか。
    そうかもしれない。

    いや、待てよ。
    あるいは寝すぎだろうか。

    そうかもしれない。
    そうでないかも。

    あまりにも眠いので判断できない。

    そもそも、なぜ起きねばならんのだ。
    眠いなら起きなくとも良いではないか。

    よいではないか。のう、お女中。
    色が白くてかわゆいわ。

    ほれ、帯をとくのだ。
    ほれほれ、コマのようにまわってみよ。

    あれえええええ。


    なにをやっておるのだ。
     

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起きねばならん

by Tome館長

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    さて、そろそろ起きなければ。
    もう起きる時間だから起きるのだ。

    だが、どうやって起きるか。
    それが問題だ。

    まずは毛布を払いのけるべきだろう。

    毛布を払いのけるには手を使えばいい。
    右手か左手か、あるいは両手でもいい。

    いや、足を使ってもできそうだ。

    もし手も足も出なかったらどうするか。

    どうしよう。わからない。
    考えるのだ。

    そうだ。頭だ。
    頭を使うのだ。

    しかし、丸い頭では毛布をめくれない。

    いや、頭をつぶせばなんとかなる。
    ヘラみたいに平らにつぶせばいいのだ。

    しかし、どうやってつぶすのだ。
    足で踏みつぶせるだろうか。

    いやいや。ちょっと待て。
    足が出ないから頭を使うのだった。

    そうだ。そうだった。
    そうだったっけ。

    違う。違う。
    なにを考えているのだ。

    こんなことしている場合じゃなかった。
    起きなければならなかったはずだ。

    毛布なんか無視だ。
    起きればいいのだ。

    起きれば毛布なんか床にずり落ちてしまう。
    それで一石二鳥だ。なんて賢い。

    起きながらあくびをすれば一石三鳥だ。
    素晴らしい。

    天才かもしれないぞ。

    さすがに一石四鳥というのは無理かな。
    無理かどうかやってみなくてはわかるまい。

    なにをやるか。なにをやっているのか。
    そうだ。なにをやっているのだ。

    いかん。いかん。
    こんなはずじゃなかった。

    すぐに起きねばいかんのだ。

    ええと、どうすれば起きられるんだっけ。
    いつものようにすればいいはずだが。

    確か、まず上体をなんとか起こすのだ。
    上体を起こすには腰を曲げればいい。

    そうだ。曲げるのだ。
    腰を曲げるのだ。

    やった。
    少しだけだが腰が曲がったぞ。

    それにしては起きてないではないか。

    なぜだ。
    寝ぼけているのだろうか。

    ああ、そうか。
    横向きで寝ていたのだ。

    横向きの姿勢で腰を曲げてもしかたない。
    どうりで簡単に腰を曲げられたわけだ。

    まぬけだな。
    笑ってしまうな。

    笑ってしまおうかな。
    いいのかな。

    誰にも遠慮することはないはずだが。
    どうせ寝言と思われるくらいで。

    わあ。なんだ。
    どうなっているのだ。

    笑ってる場合ではないぞ。

    なにしてるんだ。
    いいかげんにしろ。

    すぐに起きないとまた眠ってしまうぞ。

    ほら、起きるのだ。
    今すぐ起きるのだ。

    だめだ。体が重い。
    寝返りも打てない。

    なぜだ。わからない。
    頭がおかしい。

    眠い。眠いのだ。
    たまらなく眠いのだ。

    そうか。そうなのだ。
    眠いからだ。

    こんなに眠いから起きられないのだ。

    だが、どうしてこんなに眠いのだろう。

    寝不足だからか。
    そうかもしれない。

    いや、待てよ。
    あるいは寝すぎだろうか。

    そうかもしれない。
    そうでないかも。

    あまりにも眠いので判断できない。

    そもそも、なぜ起きねばならんのだ。
    眠いなら起きなくとも良いではないか。

    よいではないか。のう、お女中。
    色が白くてかわゆいわ。

    ほれ、帯をとくのだ。
    ほれほれ、コマのようにまわってみよ。

    あれえええええ。


    なにをやっておるのだ。
     

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published : 2013/11/13

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