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Comment出会いは突然に
by Tome館長
突然、ふたりは出会った。
それは、あり得ない出会いだった。
僕が死んだはずの彼女に出会った時、
彼女は死んだはずの僕に出会った。
つまり僕たちは、互いに自分は生き延び、
互いに相手が亡くなったものと信じていたのだ。
「私、あなたの葬式に出たわよ」
「僕なんか、君の死に顔を見たぞ」
「そんなの嘘よ」
「そっちこそ」
どうも話が合わない。
互いの記憶が喰い違っている。
「だって、私があなたを・・・・・・」
彼女が言い淀む言葉を
僕は直感できた。
「いや違う。僕が君を殺したんだ」
ふたりは互いに見つめ合う。
その表情を別にすれば
まるで昔の恋人同士のように。
published : 2013/05/11