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【 目覚めたら 】
あわてて目覚めたら、そこは戦場だった。
ミサイルがまっすぐ飛んできた。
すばやく地面に転がって衝突を避ける。
あるいは、素手でもつかめたかもしれない。
それほどミサイルはゆっくり飛んでいた。
そのミサイルを狙い、光線銃で撃つ。
なぜ光線銃を所持しているのか、不明だ。
それはともかく、
光線が空中をゆっくり進む。
そのため時差が生じ、位置が重ならず、
光線はミサイルには当たらなかった。
死を覚悟するような戦場においては
すべてがゆっくりと動くらしい。
おそらく、相対的に主観的に
そのように感じられるだけなのだろう。
ミサイルの進行方向には戦車が一台、
空中に浮かんでいた。
戦車に翼があるわけではないのだから
見えない竜巻にでも巻き込まれたのだろう。
やがて目測通り、
その空飛ぶ戦車とミサイルとは衝突した。
しかし、爆発しない。
ミサイルは地面に落ちてから爆発した。
油断していた。
爆発も遅いのだ。
ほんの近くだった。
爆風がゆっくりとこちらにやってくる。
逃げようとして、地雷を踏んでしまった。
それとも潜水艦の頭であったか。
あわてて目覚めたら、そこは海底だった。
時空のねじれ
by Tome館長
【 目覚めたら 】
あわてて目覚めたら、そこは戦場だった。
ミサイルがまっすぐ飛んできた。
すばやく地面に転がって衝突を避ける。
あるいは、素手でもつかめたかもしれない。
それほどミサイルはゆっくり飛んでいた。
そのミサイルを狙い、光線銃で撃つ。
なぜ光線銃を所持しているのか、不明だ。
それはともかく、
光線が空中をゆっくり進む。
そのため時差が生じ、位置が重ならず、
光線はミサイルには当たらなかった。
死を覚悟するような戦場においては
すべてがゆっくりと動くらしい。
おそらく、相対的に主観的に
そのように感じられるだけなのだろう。
ミサイルの進行方向には戦車が一台、
空中に浮かんでいた。
戦車に翼があるわけではないのだから
見えない竜巻にでも巻き込まれたのだろう。
やがて目測通り、
その空飛ぶ戦車とミサイルとは衝突した。
しかし、爆発しない。
ミサイルは地面に落ちてから爆発した。
油断していた。
爆発も遅いのだ。
ほんの近くだった。
爆風がゆっくりとこちらにやってくる。
逃げようとして、地雷を踏んでしまった。
それとも潜水艦の頭であったか。
あわてて目覚めたら、そこは海底だった。
published : 2013/02/06