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【 明日の魔女 】
カリエは、小さな魔女。
王立魔法学校初等科の劣等生です。
魔法の定期試験では失敗ばかり。
試験官による口頭での出題。
「このトカゲをヘビに変身させなさい」
しっかりヘビの変身呪文を唱えたはずなのに
なぜか恐ろしい姿のドラゴンが現れます。
もう試験会場は大混乱。
「あ〜あ。どうしてあたしって、失敗ばかりするんだろ」
カリエはぼやきます。
「でも、カリエってすごいよ。
私なんか、ドラゴンなんて絶対に出せないもん」
友だちで優等生のメンマが慰めます。
「あんなの出したって、なんの役にも立たない」
「そりゃまあ、そうだけど・・・・・・」
「明日の追試、とっても心配」
「あのね。きっと呪文、深く唱えすぎなのよ。
適当に力を抜いてやれば、カリエなら大丈夫だって」
「そうかな」
「そうだよ。だから、頑張らないで、気楽にね」
「うん。なんとか、やってみるけど・・・・・・」
メンマと別れて、ひとりぼっちの帰り道、
カリエは夕焼け空を見上げます。
(明日こそ、うまくできますように!)
どうしても強く願わずにいられません。
けれども、その瞬間、
このまま続くはずの明日でなくて
まったく新しい明日をひとつ作ってしまったことに
カリエは気づきもしないのでした。
明日こそ
by Tome館長
【 明日の魔女 】
カリエは、小さな魔女。
王立魔法学校初等科の劣等生です。
魔法の定期試験では失敗ばかり。
試験官による口頭での出題。
「このトカゲをヘビに変身させなさい」
しっかりヘビの変身呪文を唱えたはずなのに
なぜか恐ろしい姿のドラゴンが現れます。
もう試験会場は大混乱。
「あ〜あ。どうしてあたしって、失敗ばかりするんだろ」
カリエはぼやきます。
「でも、カリエってすごいよ。
私なんか、ドラゴンなんて絶対に出せないもん」
友だちで優等生のメンマが慰めます。
「あんなの出したって、なんの役にも立たない」
「そりゃまあ、そうだけど・・・・・・」
「明日の追試、とっても心配」
「あのね。きっと呪文、深く唱えすぎなのよ。
適当に力を抜いてやれば、カリエなら大丈夫だって」
「そうかな」
「そうだよ。だから、頑張らないで、気楽にね」
「うん。なんとか、やってみるけど・・・・・・」
メンマと別れて、ひとりぼっちの帰り道、
カリエは夕焼け空を見上げます。
(明日こそ、うまくできますように!)
どうしても強く願わずにいられません。
けれども、その瞬間、
このまま続くはずの明日でなくて
まったく新しい明日をひとつ作ってしまったことに
カリエは気づきもしないのでした。
published : 2012/12/26