夜の三つ編み

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夜の三つ編み

by Tome館長

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  俺は朝から街に出て
  髪の長い女の子を探しまわり、
  
  なんとか三人の女の子を見つけて
  どうにか彼女たちを自宅に連れ帰った頃には
  
  もうすっかり日が暮れていた。
  
  
  「どうするの？」
  「どういうつもり？」
  「どうなっているの？」
  
  彼女たちは目覚めると、
  声をそろえて俺を非難した。
  
  
  監禁用の部屋の壁際には
  巨大なフランケンシュタイン人形が立ち、
  
  俺はその腹に向けてベレッタM92を撃ちまくり、
  拳銃が本物であることを彼女たちに示した。
  
  
  「三人の髪で三つ編みを作ってもらいたい」
  
  なにをどうやってもらいたいのか
  俺は彼女たちに説明した。
  
  
  どうにかこうにか三人の女の子による
  長くて太い三つ編みが完成すると、
  
  それは「三つ編み」と呼ぶより
  
  神社の境内に張られてある
  注連縄（しめなわ）のようであり、
  
  それによって神聖なものと神聖でないものとを
  暗示的に隔てているかのようであった。
  
  
  俺はその結果に満足した。
  
  「もう帰っていいよ」
  
  
  三つ編みのままの彼女たちは
  三つの頭を寄せ合って
  
  とても歩きにくそうだった。
  
  
  （三つ編みを解いてから帰ればいいのに）
  
  他人事ながら俺はそう思った。
  　

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  俺は朝から街に出て
  髪の長い女の子を探しまわり、
  
  なんとか三人の女の子を見つけて
  どうにか彼女たちを自宅に連れ帰った頃には
  
  もうすっかり日が暮れていた。
  
  
  「どうするの？」
  「どういうつもり？」
  「どうなっているの？」
  
  彼女たちは目覚めると、
  声をそろえて俺を非難した。
  
  
  監禁用の部屋の壁際には
  巨大なフランケンシュタイン人形が立ち、
  
  俺はその腹に向けてベレッタM92を撃ちまくり、
  拳銃が本物であることを彼女たちに示した。
  
  
  「三人の髪で三つ編みを作ってもらいたい」
  
  なにをどうやってもらいたいのか
  俺は彼女たちに説明した。
  
  
  どうにかこうにか三人の女の子による
  長くて太い三つ編みが完成すると、
  
  それは「三つ編み」と呼ぶより
  
  神社の境内に張られてある
  注連縄（しめなわ）のようであり、
  
  それによって神聖なものと神聖でないものとを
  暗示的に隔てているかのようであった。
  
  
  俺はその結果に満足した。
  
  「もう帰っていいよ」
  
  
  三つ編みのままの彼女たちは
  三つの頭を寄せ合って
  
  とても歩きにくそうだった。
  
  
  （三つ編みを解いてから帰ればいいのに）
  
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published : 2010/08/21

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