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きらびやかなガラスの宮殿にお暮らしの
やんごとなきお姫様のお話。
それはそれは
たいそうお美しいお姫様でありました。
お国の若者たちがそのお姿を拝見しようと
ガラスの宮殿のまわりに集まるのですが
あまりにきらびやかな宮殿ですから
みな目をいためて見ることができません。
番犬も番兵も誰もいませんから
目隠しをして手探りで入ろうとしたり
真夜中にこっそり侵入する不届き者まで
あらわれる始末です。
けれどもいざお姫様にお会いになり
その美しい瞳に映ってしまった者は
みなことごとくガラスになってしまうのでした。
お姫様は深くため息をつきながら
大きな鏡を運んでその不届き者の前
おのれの姿が見えるであろう位置に立てかけます。
それから鏡の裏にお隠れになったまま
ガラスになった者に問いかけるのです。
「ガラスのままがよいかよくないか」
これで運よくもとの姿にもどれる者もいる
というお話です。
おしまい。
ガラスの宮殿
by Tome館長
きらびやかなガラスの宮殿にお暮らしの
やんごとなきお姫様のお話。
それはそれは
たいそうお美しいお姫様でありました。
お国の若者たちがそのお姿を拝見しようと
ガラスの宮殿のまわりに集まるのですが
あまりにきらびやかな宮殿ですから
みな目をいためて見ることができません。
番犬も番兵も誰もいませんから
目隠しをして手探りで入ろうとしたり
真夜中にこっそり侵入する不届き者まで
あらわれる始末です。
けれどもいざお姫様にお会いになり
その美しい瞳に映ってしまった者は
みなことごとくガラスになってしまうのでした。
お姫様は深くため息をつきながら
大きな鏡を運んでその不届き者の前
おのれの姿が見えるであろう位置に立てかけます。
それから鏡の裏にお隠れになったまま
ガラスになった者に問いかけるのです。
「ガラスのままがよいかよくないか」
これで運よくもとの姿にもどれる者もいる
というお話です。
おしまい。
published : 2010/02/06