Portfolio yamada.c 

使っているのはいつもNUPASTELの茶系ですが、時々こんなゆるい色に持ち替えてみます。
新しいミューズ=女神が現れます。

あたりまえのことですが、モデルさんがどんなポーズを取ろうと、とにかく描きます。
苦手なアングル、斬新なポーズ…
なおのこと必死で描きます、１０分しかないから。
怖いのはそこに描き手=自分の品性のレベルが現れてるだろうと思うことです。

裸婦の背中に出会うと「智恵子抄」を思い出します。
まるで埋め込まれたDNAのように、古い記憶が立ち上がって、
幾たび光太郎が描いたであろう智恵子のホクロをふと目の前の裸婦の背中に探していたりするわけです。

クロッキーは、狛江カルチャーという所で描いています。
ここが主宰しているクロッキーに講師はいません。
描きたい人が、描きたい時に、描きたいように描く。
それがとても気に入ってます。

どこか十代の頃の沢尻エリカさんを思い出しました…

モデルさんの傍らで最後のアラームが小さく鳴ると
　　ありがとうございました…　　お疲れさま…　　
どちらからともなく声が掛かります。
描く側の、描かれる側の、それぞれの緊張が解ける時。

ブラインドの隙間から西陽が差し込むころ、最後の５分ポーズ×４回がスタートします。
モデルさんはアラームが鳴るたび、無言でポーズを変えていきます。
まるで５分毎に殻を脱ぐようです…

美大も専門学校もついに縁がないままこの仕事に入ったので、初めてヌード描いた時は、目から鱗でした。
「人間なにも着てないとこんなにわかりやすい！！！」（と、ひそかに感動。）

20分×２回、10分×６回、５分×４回、20分毎に５分休憩を挟んで、
２時間半があっという間でした。

ふと思い立ってクロッキーをアップします。
毎月第一水曜日、途切れ途切れに続けてきた裸婦クロッキーです。
workではないけれど、これもやはり自分のfieldの一部だと思うので。

黙々と、ただ黙々と描く水曜日の午後です。