1万8000人の登録クリエイターからお気に入りの作家を検索することができます。
WORKS
その他 > その他
9
View3
Fav1
Commentrespect for 「area」
[ねぇ 知ってた? どうして葉はちるのか?
それはね、樹が冬を越す為に葉があると余分な栄養がいるから 振り落とすんだって」
「へぇ なんか 葉っぱがかわいそうだな」
ひらり ひらり
「樹老様 また、この季節がやってまいりました。そろそろ 冬支度をせねばなりません」
「わかっておるのだが…」
「暖かくなるまで しばしのお別れです」
「毎年のことじゃが 悲しいの…」
「いいえ 樹老様あっての我等 葉族なのです。 全員 自ら志願しての行いです」
「すまんの…」
「樹老様を夏の日差しから守り そして散る それが、葉の役目… 運命なのです。」
「わかってはおるのだが…」
「さて、迎えが来たようです。 それでは… (ニコっ)」
「強がりおって… 最後に笑顔じゃ余計に悲しいぞ…」
「華やかに散ってみせます。見届けてください」
「……」
冬を告げる風が吹き 彼らは、ためらうことなくそれに身を任せる。
ひらり ひらり
散ってもなお 葉は守るように樹を囲む そして、静かに土に還る。
やがて 春は来る。
楽葉樹
by ま
respect for 「area」
[ねぇ 知ってた? どうして葉はちるのか?
それはね、樹が冬を越す為に葉があると余分な栄養がいるから 振り落とすんだって」
「へぇ なんか 葉っぱがかわいそうだな」
ひらり ひらり
「樹老様 また、この季節がやってまいりました。そろそろ 冬支度をせねばなりません」
「わかっておるのだが…」
「暖かくなるまで しばしのお別れです」
「毎年のことじゃが 悲しいの…」
「いいえ 樹老様あっての我等 葉族なのです。 全員 自ら志願しての行いです」
「すまんの…」
「樹老様を夏の日差しから守り そして散る それが、葉の役目… 運命なのです。」
「わかってはおるのだが…」
「さて、迎えが来たようです。 それでは… (ニコっ)」
「強がりおって… 最後に笑顔じゃ余計に悲しいぞ…」
「華やかに散ってみせます。見届けてください」
「……」
冬を告げる風が吹き 彼らは、ためらうことなくそれに身を任せる。
ひらり ひらり
散ってもなお 葉は守るように樹を囲む そして、静かに土に還る。
やがて 春は来る。
published : 2010/11/26