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Comment 彼は失敗作だ。型のかみ合わせがガクガクしている。先輩がもういらないというので、アトリエ掃除のときにもらってきた。
彼に行き着く先などない。一度絵を描いたこともあったが、あとはアトリエの隅にうっちゃっておかれるばかりだ。
彼に行き場がないというのは、つまり実体としての我々にも行き着く先がないということと、なんだか似たようなものという気もする。
しかたがないから、我々はそのようなものは燃やしてしまうしかないということにしている。だから、我々は普段そのようなものは見かけることがない。
彼が絵になる場所がないというのは、つまりそのことだ。
彼もまた燃やしてしまうしかないのかもしれないが、彼はFRP(プラスチック)なので燃やすことが出来ず、いずれ炭になってしまう我々よりも実は、どうしようもなく強く存在しちゃってるのではないだろうか。
全くおかしなヤツだが、とりあえず放っておくしかない。
FRP 写真
2007
骸骨のない風景
by 池田 翔平
彼は失敗作だ。型のかみ合わせがガクガクしている。先輩がもういらないというので、アトリエ掃除のときにもらってきた。
彼に行き着く先などない。一度絵を描いたこともあったが、あとはアトリエの隅にうっちゃっておかれるばかりだ。
彼に行き場がないというのは、つまり実体としての我々にも行き着く先がないということと、なんだか似たようなものという気もする。
しかたがないから、我々はそのようなものは燃やしてしまうしかないということにしている。だから、我々は普段そのようなものは見かけることがない。
彼が絵になる場所がないというのは、つまりそのことだ。
彼もまた燃やしてしまうしかないのかもしれないが、彼はFRP(プラスチック)なので燃やすことが出来ず、いずれ炭になってしまう我々よりも実は、どうしようもなく強く存在しちゃってるのではないだろうか。
全くおかしなヤツだが、とりあえず放っておくしかない。
FRP 写真
2007
published : 2009/01/22