1万8000人の登録クリエイターからお気に入りの作家を検索することができます。
WORKS
文学・文芸 > 脚本
9
View3
Fav1
Commentいわゆる古典劇ですが、大胆な簡略脚色と、英語二重音声、クラシック音楽で斬新に再生したシェイクスピアをご覧いただけます。中世のスコットランドでの物語。仁徳高いダンカン王の信任が厚く、勇猛な武将マクベスは、反乱軍を鎮めての帰途、 「泡」の様にどこからともなく現れた魔女たちから、謎めいた言葉を浴びせられる。 彼はコーダの領主になり、やがては王にもなるとのこと。また同行の武将バンクォーはその子孫が王になると告げられ、二人は唖然とする。折しも、マクベスをコーダの領主にとの勅命を受け、魔女の予言の一つが、早くも成就される。呆然としながらも、この瞬間、王座への野心に燃え始めたマクベスは、ことの次第を早速マクベス夫人に手紙で知らせると、夫人はマクベス以上に激しく野心を燃えあがらせる。
偶然にも王その人がマクベスの城に泊まることになり、邪悪な夫人は、ひるむマクベスを駆り立て、冷徹に王の暗殺の手はずを練り上げる。王位簒奪の恐ろしさに震えるマクベスの前に、突然短剣が亡霊の様に現れ、マクベスを王の部屋へと誘う。マクベスは遂に王を殺害するが罪の恐ろしさにおののくばかり。夫人はそんな夫を激しく叱咤し短剣を取り上げ、王の部屋に戻って、二人の従者に王の血をなすりつける。そこえ激しく戸を叩く音がし貴族マクダフが訪れてくる。
(幕間狂言の場)泥酔した門番が現れ、深酒が唆す3つのことを猥雑で陽気に喋りまくり女召使いを相手に滑稽に踊り回る。
城中に鐘が響き王の殺害が知れ渡るとマクベスは急ぎ、修羅場にかけつけ王の従者を殺す。貴族マクダフはマクベスに疑惑をかけるが、彼は巧みに言い逃れる。王子マルコムも身の危険を感じ、英国に逃亡するがマクベスはこれを王子の親殺しの隠蔽策と仕立てあげ、遂に王の座に着く。
例の予言故にバンクオーに激しい不安と嫉妬を覚えるマクベスは、刺客に命じバンクオーと息子の殺害をはかるが、息子は逃げのびる。その晩、夫妻が催した宮中での晩餐会で、血まみれのバンクオーの亡霊が現れ、王座に座る。(それはマクベスにしか見えないのだが)驚愕したマクベスは、居並ぶ客人たちの前で狂乱状態になる。夫人はその場をつくろい、宴の終わりを告げる。一同が去った後、マクベスは「血の流れにここまで踏み込んだからには、もう引き返せない、思い切って渡ってしまうのだ ………… 考えるのはあとでよい。」と豪語する。
宴会に貴族マクダフが現れなかったことで不安にかられたマクベスは、魔女達から何もかも聞き出そうと森にやって来る。女から生まれたものにはマクベスは滅ぼされないし、バーナムの森が城まで動いてこない限り、マクベスは王座にあること。またマクダフに用心せよ ,と魔女は告げる。バンクオーへの不安を問いただすマクベスに、魔女はバンクオーとその子孫に王冠が授かった光景を示し、忽然と消え去る。怒り狂ったマクベスは英国に逃亡したマクダフとその一家の殺害を命令する。次のシーンでマクダフの妻と息子が殺害される。
一方マクダフはダンカン王の息子マルコムに会いに英国にくる。王子はマクベスの回し者かとマクダフを疑うが、使者の知らせで、マクダフ一家が暗殺されたと知り、二人は “ 墓場 "と化したスコットランドを救う決心をする。英国軍に率いられてマルコムとマクダフはスコットランドに入り、マクベスの城に攻め入る。狂った無夢病者となり果てたマクベス夫人は自殺し、マクベスは始めて孤独を知る。憤り、焦りながらも例の魔女の予言を盾に城にこもるが、英国軍が木の枝を被って攻めてくるに及び森は動いたことになり、決戦の相手マクダフは母親の腹を裂いて出てきたと知り、予言はすべて二枚舌だったと悟る。頼れるもの全てを失った暴君は、あたかも仕組まれた筋書きを最後まで演出するかの様に、その"盾"も投げ捨て、身ひとつでマクダフと戦い、遂に滅ぼされる。そして、マルコムがスコットランド王位を継ぐ。
背後では魔女のどよめきに似た音楽がクレッシェンドしていく。絶えて止むことのない人間の渇望、権力への血迷いが繰り返されていくかの様に ……………。
400キャパホール
上演2時間
1ヶ月
『マクベス』 2言語16世紀原版
by 神尾直人
いわゆる古典劇ですが、大胆な簡略脚色と、英語二重音声、クラシック音楽で斬新に再生したシェイクスピアをご覧いただけます。中世のスコットランドでの物語。仁徳高いダンカン王の信任が厚く、勇猛な武将マクベスは、反乱軍を鎮めての帰途、 「泡」の様にどこからともなく現れた魔女たちから、謎めいた言葉を浴びせられる。 彼はコーダの領主になり、やがては王にもなるとのこと。また同行の武将バンクォーはその子孫が王になると告げられ、二人は唖然とする。折しも、マクベスをコーダの領主にとの勅命を受け、魔女の予言の一つが、早くも成就される。呆然としながらも、この瞬間、王座への野心に燃え始めたマクベスは、ことの次第を早速マクベス夫人に手紙で知らせると、夫人はマクベス以上に激しく野心を燃えあがらせる。
偶然にも王その人がマクベスの城に泊まることになり、邪悪な夫人は、ひるむマクベスを駆り立て、冷徹に王の暗殺の手はずを練り上げる。王位簒奪の恐ろしさに震えるマクベスの前に、突然短剣が亡霊の様に現れ、マクベスを王の部屋へと誘う。マクベスは遂に王を殺害するが罪の恐ろしさにおののくばかり。夫人はそんな夫を激しく叱咤し短剣を取り上げ、王の部屋に戻って、二人の従者に王の血をなすりつける。そこえ激しく戸を叩く音がし貴族マクダフが訪れてくる。
(幕間狂言の場)泥酔した門番が現れ、深酒が唆す3つのことを猥雑で陽気に喋りまくり女召使いを相手に滑稽に踊り回る。
城中に鐘が響き王の殺害が知れ渡るとマクベスは急ぎ、修羅場にかけつけ王の従者を殺す。貴族マクダフはマクベスに疑惑をかけるが、彼は巧みに言い逃れる。王子マルコムも身の危険を感じ、英国に逃亡するがマクベスはこれを王子の親殺しの隠蔽策と仕立てあげ、遂に王の座に着く。
例の予言故にバンクオーに激しい不安と嫉妬を覚えるマクベスは、刺客に命じバンクオーと息子の殺害をはかるが、息子は逃げのびる。その晩、夫妻が催した宮中での晩餐会で、血まみれのバンクオーの亡霊が現れ、王座に座る。(それはマクベスにしか見えないのだが)驚愕したマクベスは、居並ぶ客人たちの前で狂乱状態になる。夫人はその場をつくろい、宴の終わりを告げる。一同が去った後、マクベスは「血の流れにここまで踏み込んだからには、もう引き返せない、思い切って渡ってしまうのだ ………… 考えるのはあとでよい。」と豪語する。
宴会に貴族マクダフが現れなかったことで不安にかられたマクベスは、魔女達から何もかも聞き出そうと森にやって来る。女から生まれたものにはマクベスは滅ぼされないし、バーナムの森が城まで動いてこない限り、マクベスは王座にあること。またマクダフに用心せよ ,と魔女は告げる。バンクオーへの不安を問いただすマクベスに、魔女はバンクオーとその子孫に王冠が授かった光景を示し、忽然と消え去る。怒り狂ったマクベスは英国に逃亡したマクダフとその一家の殺害を命令する。次のシーンでマクダフの妻と息子が殺害される。
一方マクダフはダンカン王の息子マルコムに会いに英国にくる。王子はマクベスの回し者かとマクダフを疑うが、使者の知らせで、マクダフ一家が暗殺されたと知り、二人は “ 墓場 "と化したスコットランドを救う決心をする。英国軍に率いられてマルコムとマクダフはスコットランドに入り、マクベスの城に攻め入る。狂った無夢病者となり果てたマクベス夫人は自殺し、マクベスは始めて孤独を知る。憤り、焦りながらも例の魔女の予言を盾に城にこもるが、英国軍が木の枝を被って攻めてくるに及び森は動いたことになり、決戦の相手マクダフは母親の腹を裂いて出てきたと知り、予言はすべて二枚舌だったと悟る。頼れるもの全てを失った暴君は、あたかも仕組まれた筋書きを最後まで演出するかの様に、その"盾"も投げ捨て、身ひとつでマクダフと戦い、遂に滅ぼされる。そして、マルコムがスコットランド王位を継ぐ。
背後では魔女のどよめきに似た音楽がクレッシェンドしていく。絶えて止むことのない人間の渇望、権力への血迷いが繰り返されていくかの様に ……………。
400キャパホール
上演2時間
1ヶ月
published : 2010/03/10